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　願いを叶える石〈ミーレの聖石〉が眠ると伝えられる樹海は、ベルティナという神秘の島の中央部に存在します。ベルティナは世界の果てにある、魔法の霧に包まれた島で、その存在は魔法の力によって長らく秘匿されてきました。しかしあなたは、願いを叶えるという強い意志によって、あるいはたまたま迷い込むという形で、ベルティナ島に流れ着きます。ミーレの聖石は樹海の奥深くに眠っているとされ、それを見出すためには数多の試練を潜り抜けなければならないと言われています。

　ミーレの聖石を守るために、樹海には妖精や竜、魔物が跋扈しています。それらを退けることができなければ、悲願を達成することなど夢のまた夢です。こうして、冒険者たちは協力することを決め、樹海の外に街を作りました。冒険者の街の名は、イルアード。街は100年の間にとても大きくなり、冒険者たちは宿で寝起きし、鍛冶屋で武具を整えることができるようになりました。

　イルアードの街ができてから100年、ミーレの聖石はいまだに見つかっていません。諦めるのも、冒険を続けるのも、あなた次第です。

　メイレル通りにある冒険者の宿です。モルタルと木材で作られたその宿は、日夜冒険者で賑わっています。1階が食事処になっており、2階に宿泊部屋があります。宿を取り仕切る店主アンドルはかつて故郷で酒場を開いていた人物で、大衆的で優しい味わいの料理を提供しています。

　樹海を跋扈する脅威に立ち向かうため、冒険者たちは武器を調達しなければなりませんでした。幸い近くに金山があり、鉄鉱石に事欠かなかったため、冒険者の中でも技術のあるものが鍛治師としてまとまりはじめました。「煌めきの火床」の鍛冶師たちは皆腕がよく、頼りにされています。

　石畳の広場の中央に設置された水時計、それがイルアードのシンボルです。待ち合わせや憩いの場として親しまれています。

　冒険者たちの中には商人もいました。外界との接触が断たれてしまうベルティナ島では、冒険者間での共通の価値基準を決める際、彼らの知恵が大いに役に立ったと言われています。商人たちは数年かけて度量衡と貨幣を統一し、樹海に眠る遺物の取引を開始しました。よろず屋「鷲獅子の尾」では、その名の通りなんでも手に入ります。

　イルアードの街を治めるのは、政治能力に長けた人々により結成されたイルアード評議会です。広場に隣接した白亜の建物が評議会館であり、イルアードに住まう人々と冒険者たちを統括しています。

　ベルティナ島に流れ着いた人々のうち、知恵者たちは樹海を調査し、遺物を保存し、研究するべきだと言いました。そうして作られた組織が「暗月の塔」です。暗月の塔には人々の叡智が集積されており、屋上には天文台が存在します。

　樹海の外縁部、表層です。風も吹いていないのに葉がすれ合う音がかすかに聞こえます。立ち込める霧も相まってやや不気味ですが、実害はありません。

　ささめく木立を奥へと進んでいくと、小さな泉に行き当たります。この泉の水には不思議な浄めの力があり、傷口を浄化し、穢れを祓います。武具を作る際の冷却水としても使われることがあり、イェルグの泉の水で聖別された武具は同様に浄めの力を持つと言われています。

　樹海の近くにある金山で、良質な鉄鉱石が採れます。また他にも稀に、竜水晶と呼ばれる結晶が採掘されることがあり、重宝されます。

　ベルティナ島は平時魔法の霧に包まれており、全貌が見えません。ゆえにベルティナ島行きの船というものはありません。選ばれた者のみが島に招かれると言われています。

　ベルティナ島に流れ着く人々は、言葉も文化も価値観も多種多様です。ゆえに、ベルティナ島では「エイル語」と呼ばれる言葉が共通言語になっています。これは島のあちこちにある石碑に刻まれていた言語で、簡素で覚えやすい文法が特徴です。はじめは慣れないかもしれませんが、半年もあれば習得できるでしょう。

　ベルティナ島には、電気やガスはありません。代わりに魔法があり、人々の生活を支えています。魔法は「暗月の塔」の魔法使いから教えてもらうことができ、たとえ魔法の才能がなくとも、魔力が込められた魔石を用いることで、その恩恵を受けられます。

　ベルティナ島に住まう人々が必ず従わなければならない法です。軽犯罪の取り締まりや刑罰、衛兵や裁判官の規定もこれに収められています。

　ベルティナ島独自の通貨、それがエルクです。金貨、銀貨、銅貨があり、一般的な取引は銀貨や銅貨で行われます。例えば宿に素泊まりするには50エルク、1食は5エルクから10エルクかかります。換算レートは1エルク100円です。

キャラクターメイキングの際、「MilesianStoneRPG」のルールを利用することもできます。