MilesianStoneRPG

1. はじめに

 『MilesianStoneRPG』は、実際にベルティナ島の樹海を探索できるゲームです。とはいっても、プレイヤーの入力を自動で処理してくれるようなコンピューターゲームではありません。ゲームマスターという名の進行役がその代わりを務める、テーブルトークRPG(TRPG)というゲームです。プレイヤーはキャラクターを通して行動を選択しますが、その選択の自由度の高さが特徴です。また、コンピューターゲームにおける演算、ランダマイザーに代わるものとして、ダイス(さいころ)を用いるのも、TRPGの主な特徴と言えるでしょう。
 TRPGは、また、強い物語性、演劇性を持っています。『MilesianStoneRPG』を遊ぶ時、あなたはまさしく、樹海を探索する冒険者となるのです。

 TRPGには、特殊な意味づけをされた単語がいくつか存在します。

ゲームマスター(GM)

 ゲームの進行役を務める人です。また、プレイヤーの相談役でもあります。遊んでいる途中で困った時は遠慮せずに頼りましょう。

プレイヤー(PL)

 ゲームマスターの進行のもと、ゲームに参加する人たちのことです。『MilesianStoneRPG』では、プレイヤーの人数は最低でも2人、多くても5人までを想定しています。

プレイヤーキャラクター(PC)

 プレイヤーが操作するキャラクターのことです。彼らはベルティナ島に住んでいますが、私たちと同様に個性を持ち、目的を持って行動します。プレイヤーはシナリオの展開やキャラクターの個性を鑑み、キャラクターがどう行動するかを宣言します。基本的に、シナリオはこの「行動宣言」によって進んでいきます。

ノンプレイヤーキャラクター(NPC)

 ゲームマスターが操作するキャラクターのうち、PC同様に試行し行動するキャラクターのことを指します。物語の上でPCたちを導いたり、時に敵対したりと重要な役割を担います。

ダイス

 TRPGにおいては、さいころのことを「ダイス」といいます。私たちがよく知る6面体のダイスから、4面体、8面体、10面体、12面体などその種類は様々です。『MilesianStoneRPG』では、4面ダイス、6面ダイス、10面ダイスを使用します。

セッション

 ゲームを遊び、終える。物語の一区切りを、セッションといいます。シナリオに続編があり、数回にわたって遊ぶ形式のものをキャンペーンと呼ぶこともあります。

1.1 用意するもの

 『MilesianStoneRPG』は2〜5人で遊ぶことを想定しています。ダイスは場面に応じて4面ダイスを2個、6面ダイスを3個、10面ダイスを3個使用します。遊ぶためにはキャラクターシートとルールブック(このページです)が必要です。

1.2 本文中に使われる用語について

 このゲームでは、ごくごく一般的な名称も特別な意味や役割を持つことがあります。よってそのような語については、以下のような表記を用いて区別するものとします。

〔◯◯〕:ゲームシステム用語
 (例)〔バトルエリア〕、〔行為判定〕

《◯◯》:技能名
 (例)《看破》、《不意打ち》

[◯◯]:計算式
 (例)[2d10+DB]

〈◯◯〉:アイテム
 (例)〈ダガーナイフ〉、〈満月草〉

【◯◯】:魔法
 (例)【ライトニング】、【キュアウーンズ】

1.3 ダイスの読み方

 このゲームでは、前述の通り、いろんなダイスを使用します。10面ダイスを2個振り、その合計値を求めるダイスを「2d10」、同じく10面ダイスを2個振り、一方を十の位、もう一方を一の位として値を求めるダイスを「d100」といいます。どちらが一の位でどちらが十の位かは、ダイスの色や降る順番などで事前に決めておくと良いでしょう。
 また、ダイスで決めても自由に選んでも良い項目を「RoC」(Roll or Choice)といいます。大抵の場合、チャート(表)とともに出てきます。

1.4 ゴールデンルール

 遊んでいる途中、皆さんは多くのルールに従うことになるでしょう。それらのルールの上位に位置し、ゲーム全体を統べる規則をゴールデンルールといいます。『MilesianStoneRPG』はこのゴールデンルールを承認するところから始まります。

1. ゲームマスターは、出来るだけ正しいルール運用に努め、誰に対しても公平な裁定を行ってください。

2. ルールに記載されていない状況やルールの適用に迷った場合は、「シナリオの趣旨に合っているか」「プレイヤーに有利かどうか」等を判断基準にゲームマスターが最終的な決定を下してください。

3. ルールの適用を間違えた場合、その場で速やかに訂正し、以降は正しいルールに従って処理すること。ただしすでに適用済みの結果については巻き戻しをしないようにしてください。

4. ゲームマスターは自らが許可していない判定やダイスロールの結果を棄却し、やり直させることができます。

5. ゲームマスターは自らが行う判定やダイスロールの結果を、ダイスを振らずに自由に決定することができます。
 

1.5 端数の処理

 計算の結果として端数が発生した場合、特別な断りがない限りは「端数切り捨て」の処理を行ってください。

1.6 留意事項

 この世界はゲームマスターとプレイヤーが対立し、競争し、勝敗を争うために存在するわけではないことに注意を払ってください。ゲームマスターもプレイヤーも、お互い協力してより良い結末に導くために力を尽くすこと、どれほどの苦難が待ち受けていようとも、それを乗り越えた先に「楽しかった」という思い出が残ること、それがこの世界の望ましい姿なのです。
準備はよろしいですか?
それでは、『MilesianStoneRPG』の世界へ飛び込みましょう!

2. ミーレの聖石を求めて

 「乗っていた船が座礁して」、「船から落ちたが幸運にも海岸に流れ着いて」、「森で、街で、迷子になり歩き続けているといつの間にか」——様々な理由で、来た道も分からないまま、あなたは世界の果てにあるという幻の島、ベルティナ島に辿り着きました。ベルティナ島にある樹海の奥深くには、願いを叶える石〈ミーレの聖石〉が眠っていると言われ、海岸沿いの街イルアードには、〈聖石〉を求める冒険者たちが集っています。
 あなたもまた冒険者として、あるいは冒険者を助ける仕事で糊口を凌ごうと、ひとまず評議会所に向かうのでした。

「ようこそ。ここは冒険者の街イルアード。
 この島に流れ着いた人々の共同体です」

 評議員は、右も左も分からないあなたに優しく話しかけます。

「街の外、島の中心には、魔法の霧に包まれた樹海が広がっています。
 樹海の奥深くには、願いを叶える石——
 〈ミーレの聖石〉が眠っていると言われています。
 みなそれを求めて、魔物の跋扈する樹海を踏破せんと日夜探索に励んでいます。
 そういった人々を、私たちは冒険者と呼んでいます。
 この街で生活していくのなら、冒険者との関わりは無視できないものです。
 ……どうでしょう、冒険者になってみる、というのは。
 あなたにはそのような天命があるように思えます」

 あなたは、目の前に広げられた登録書を見つめ、ペンをとるのでした。

3. 冒険者登録

 あなたは登録書に用意された要項を確認し、埋めていきます。

3.1 キャラクターの名前

 あなたは本名を記してもいいですし、通り名を記しても構いません。あまり長すぎると書ききれませんので、覚えやすい長さにすると良いでしょう。

3.2 キャラクターの年齢

 覚えているのなら、年齢を記入しましょう。種族によっては、かなり長命になるかもしれません。秘匿することも可能ですが、登録の際は記入してください。

3.3 キャラクターの性別

 男か女か、どちらでもないのか、そもそも性別の概念がないという種族もあるかもしれません。該当する性別を選択できます。秘匿することも可能ですが、登録の際は記入してください。

3.4 キャラクター身長と体重

 この項目を見て選別されることはあまりありませんが、体格に合わせた武具を作成する際、鍛冶屋が情報を求めることがあるようです。できるだけ正確に記しましょう。

3.5 キャラクターの種族

 イルアードの街には様々な種族の人間がいます。人間ではない種族ももちろんいます。秘匿することも可能ですが、登録の際は記入してください。

3.6 キャラクターのクラス

 冒険者のほとんどが特別な職能(クラス)を持っています。あなたの取り柄に合致するクラスを選択しましょう。クラスには戦闘職能であるメインクラスと、一般職能であるサブクラスが存在します。いずれもひとつずつしか選択できません。

3.6.1 メインクラス

 メインクラスは冒険者としての職能です。クラスごとに固有の〔アビリティ〕を持ちます。

● 戦士/ハイランダー

 ハイランドという地方に伝わる武技を受け継ぐ戦士たちのことです。戦いのプロフェッショナルである彼らは、剣、槍、斧、弓と武器を選びません。ベルティナ島の冒険者の戦い方のスタンダードとなっています。
アビリティ:〔ウェポンマスタリー〕(常時)/武器によるダメージに+1d4します。
選択技能:《近接武器》または《遠隔武器》どちらかをひとつ。《回避》、《受け流し》、その他任意の技能を5つ選択します。

● 拳闘士/グラップラー

 徒手空拳で魔物と相対する技術を身につけている戦士たちのことです。その一撃は内臓にクリティカルなダメージを与え、熊をも倒すことができると言われています。
アビリティ:〔チャクラ〕(ターン終了時)/ターン終了時、自身の〔HP〕を1d4回復します。
選択技能:《近接武器》、《回避》、《受け流し》、その他任意の技能を5つ選択します。

● 密偵/スカウト

 隠密行動を得意とする人々のことです。器用な手先で罠を解除したり、逆に罠を仕掛けたり、息を潜めての偵察行動など、危険に満ちた樹海探索での斥候役を担います。
アビリティ:〔ハイディング〕(常時)/《隠密》の成功確率を10%上昇させます。
選択技能:《近接武器》または《遠隔武器》どちらかをひとつ。《回避》、《隠密》、《解錠》、《罠設置》、その他任意の技能を3つ選択します。

● 医師/メディック

 医学薬学の知識を身につけている人々のことです。冒険者はたびたびパーティを結成しますが、その場合必ず一人は同行させるという規則があります。かすり傷が命取りとなる冒険において、とても頼りになる存在です。
アビリティ:〔トリートメント〕(ターン終了時)/ターン終了時、パーティメンバーひとりの〔HP〕を1d4回復します。
選択技能:《近接武器》または《遠隔武器》どちらかをひとつ。《回避》、《応急手当》、《医学》、その他任意の技能を4つ選択します。

● 盾騎士/フォートレス

 敵の攻撃を一身に受けとめ、皆を守る盾となる存在です。多くが重厚な鎧に身を包み、大きな盾を有しています。ドラゴン退治にはなくてはならない存在であり、彼らがいなければパーティは生きて帰ることが出来ないでしょう。
アビリティ:〔ガーディアン〕(常時)/《受け流し》の成功確率を10%上昇させます。
選択技能:《近接武器》または《遠隔武器》どちらかをひとつ。《受け流し》、《警戒・察知》、その他任意の技能を5つ選択します。

● 吟遊詩人/バード

 歌や踊りで周囲を鼓舞する技術を持つ人々です。不思議なことに、彼らの歌には魔力が宿っており、聴くものの心に良くも悪くも強く影響を及ぼします。
アビリティ:〔チャームボイス〕(《魔法抵抗》判定時)/対象ひとりの《魔法抵抗》の成功確率を10%減少させます。
選択技能:《近接武器》または《遠隔武器》どちらかをひとつ。《回避》、《芸術:演奏》、《交渉・調略》、その他任意の技能を4つ選択します。

● 狩人/ハンター

 投擲武器や射撃武器を扱う冒険者の中でも、とりわけその命中精度を称えられる名人たちです。敵の射程外から必殺の一撃をお見舞いします。
アビリティ:〔ホークアイ〕(常時)/対象の《受け流し》の成功確率を10%減少させます。
選択技能:《遠隔武器》、《投擲》、《警戒・察知》、《隠密》、その他任意の技能を4つ選択します。

● 魔獣使い/テイマー

 妖精や精霊、魔物を手懐け、戦わせる特殊な技術を持った人々です。彼らの間にはしっかりとした契約、または切れることのない絆が結ばれており、どちらかが命を落とせば一方も命を落とすと言われています。
アビリティ:〔ライフシェア〕(常時)/自身が受けたダメージを、〔従魔〕に肩代わりさせることができます。また、〔従魔〕が受けたダメージを肩代わりすることができます。
選択技能:《近接武器》または《遠隔武器》どちらかをひとつ。《回避》、《飼育》、《言語理解》その他任意の技能を4つ選択します。

● 星読み/ゾディアック

 星辰の力を魔力に変換し、魔法として顕現させる力を持つ人々です。星読みとも言われます。彼らの力は夜に極大を迎え、一般的に危険とされ避けられる夜の探索で活躍します。逆に、彼ら抜きでの夜の探索は、よほどのことがない限り認められません。
アビリティ:〔オブザベーション〕(常時)/《魔法詠唱》の成功確率を10%上昇させます。
選択技能:《近接武器》または《遠隔武器》どちらかをひとつ。《魔法詠唱》、《魔法抵抗》、《言語理解》、《ひらめき》その他任意の技能を3つ選択します。

● 死霊術師/ネクロマンサー

 歴史的にも忌むべき禁術として知られている、死霊術を扱う人々です。彼らは死体を用いるため、冒険者の間ではあまり組もうという人はいません。しかしこの世の理をねじ曲げる彼らの力は強大です。
アビリティ:〔マリオネット〕(常時)/自身が使役する〔屍兵〕を、自身の手番以外の時でも行動させることができます。
選択技能:《近接武器》または《遠隔武器》どちらかをひとつ。《魔法詠唱》、《魔法抵抗》、《言語理解》、《ひらめき》その他任意の技能を3つ選択します。

● 竜騎士/ドラグーン

 飛竜という比較的小さなドラゴンに騎乗し、槍や射撃武器などで空から攻撃を行うことを得意とする人々です。気難しいドラゴンと絆を育むという忍耐強さ、不安定な空中でバランスを取るという高い技術が求められます。
アビリティ:〔ドラゴンブラッド〕(ダメージロール)/〔HP〕を2d4点失う代わりに、ダメージに+2d4点のボーナスを付与します。
選択技能:《近接武器》または《遠隔武器》どちらかをひとつ。《回避》、《騎乗》、《魔法抵抗》、その他任意の技能を4つ選択します。

3.6.2 サブクラス

 サブクラスは冒険者としての能力とは別に持っている職能です。フレーバーとしての意味合いが強く、データ的な変動はありません。

● 鍛冶師/ブラックスミス
● 金細工師/ゴールドスミス
● 機械職人/メカニック
● 商人/マーチャント
● 徴税請負人/フェルミエ
● 公証人/ノータリー
● 代書人/スクリヴナー
● 弁護士/ロイアー
● 裁判官/ジャッジマン
● 宣教師/ミッショナリー
● 学者/セイジ
● 司書/ライブラリアン
● 通訳/リンギスト
● 紋章官/ヘラルディスト
● 絵師/アーティスト
● 作家/ストーリーテラー
● 音楽家/ミュージシャン
● 歌手/シンガー
● 庭師/ガーデナー
● 仕立て屋/テイラー
● 理髪師/バーバー
● 大工/カーペンター
● 消防士/ファイアーファイター
● 料理人/コック
● 貴族/ノーブル
● 給仕/ウェイター[ウェイトレス]
● 執事/バトラー
● 使用人/サーヴァント
● 家政婦[家政夫]/ハウスキーパー
● 家庭教師/チューター
● 御者/コーチマン
● 調香師/パフューマー
● 占い師/フォーチュンテラー
● 花屋/フローリスト
● パン屋/ベイカー
● 薬師/ファーマキスト
● 墓守/グレイブキーパー
● 農夫/ファーマー
● 漁師/フィッシャーマン
● 船乗り/セイラー
● 水先案内人/パイロット
● 門番/ゲートキーパー
● 衛兵/ガードマン
● 用心棒/バウンサー
● 明かり持ち/ファロティエ
● 処刑人/エクゼキューター
● 暗殺者/アサシン
● 娼婦・男娼/プロスティチュート

3.7 ステータス

 キャラクターの強さを示す〔ステータス〕は、〔主能力値〕と〔副能力値〕によって構成されます。

3.7.1 主能力値

 〔主能力値〕は、データで表されるキャラクターの個性のうち、基本的な性能を表します。〔主能力値〕は3d6または2d6+6によって決定されますが、その結果に納得がいかなかった場合、一方の〔主能力値〕から一方の〔主能力値〕へ、最大3点移動できます。たとえば、〔ATK9〕〔INT12〕〔VIT7〕〔AGI13〕のキャラクターを、より腕力と体力のあるキャラクターにしたい場合、〔INT〕から3点〔ATK〕へ、〔AGI〕から2点〔VIT〕へ移すことができます。‪〔ATK〕に〔INT〕から1点移動した場合、ほかの〔主能力値〕に対し移動できる〔INT〕の値は2点であり、かつ、この結果、〔ATK〕へ移動可能な他の〔主能力値〕は合計で2点になります。‬複数の〔主能力値〕からひとつの〔主能力値〕へポイントを移動する際、〔ATK〕に〔INT〕から3点、〔AGI〕から3点といった変更はできません。
 〔主能力値〕の変更はその履歴をキャラクターシートに必ず記載し、ゲームマスターの許可を得てください。
 ゲームマスターはシナリオの難易度を調整するため、能力値の変更を認めない場合があります。

● ATK

 そのキャラクターによる攻撃の威力を表します。この値は実際の筋力に依存することもあれば、そうでない場合もあります。〔魔法〕以外による〔DB〕(ダメージボーナス)に影響します。3d6で決定します。

● VIT

 そのキャラクターがどれだけ病気や怪我に強く、健康的で、体力があるかを表します。〔HP〕や〔MOV〕、〔病気抵抗判定〕に影響します。2d6+6で決定します。

● AGI

 そのキャラクターがどれだけ機敏に動けるかを表します。〔INI〕や〔MOV〕、《回避》、《追跡・逃走》の成功率に影響します。3d6で決定します。

● INT

 そのキャラクターがどれだけ学識があり、機知に富んでいるかを表します。《魔法詠唱》や《言語理解》の成功率に影響します。2d6+6で決定します。

● DEX

 そのキャラクターがどれだけ手先が器用か、機敏に動けるかを表します。〔INI〕や《近接武器》、《遠隔武器》、《投擲》などの成功率に影響します。3d6で決定します。

● LUC

 そのキャラクターがどれだけ幸運の恵まれているかを表します。致命的な失敗をカバーする、魔法や呪いから身を守るといった〔幸運判定〕に影響します。3d6で決定します。

3.7.2 副能力値

 〔副能力値〕は、〔主能力値〕から導き出される副次的なステータスです。〔主能力値〕に認められているような能力ポイントの移動は認められていません。〔副能力値〕は戦闘やシナリオ中において、さまざまな要因で変動します。

● MOV

 そのキャラクターが1ラウンドの間にどれだけ移動できるかを表します。〔MOV5〕は5m移動できることを示します。〔MOV〕は[(〔VIT〕+〔AGI〕)÷2]で求められます。

● DEF

 そのキャラクターがどれだけダメージを軽減できるかを表します。〔DEF〕は〔装備品〕が持つ〔防御値〕の合計です。

● INI

 機先を制するにあたって参照される値です。戦闘ではこの値が高い順に(N)PCたちが行動します。〔INI〕は[(〔DEX〕+〔AGI〕)÷2]で求められます。

● DB(ダメージボーナス)

 そのキャラクターが攻撃を行った時、対象に追加で与えることができるダメージの値です。〔DB〕は、[〔ATK〕÷2]で求められます。

● HP

 そのキャラクターがどれだけ打たれ強いかを表します。〔HP〕は[(〔VIT〕÷2)x5]で求められます。〔HP〕が1または2になるとキャラクターは〔気絶〕し、〔HP〕が0になると〔瀕死〕になり、〔HP〕が0のまま戦闘を終えるかもしくは6時間が経過すると、キャラクターは〔死亡〕します。
 〔HP〕はゲーム時間内のその日の終わりに、キャラクターが十分な睡眠や休息が取れているとゲームマスターが判断した場合、1d6点回復します。

● MP

 そのキャラクターがどれだけ魔力を有しているかを表します。〔MP〕は[(〔INT〕÷2)x3]で求められます。〔MP〕が1または2になるとキャラクターは〔気絶〕しますが、〔MP〕が0になることでキャラクターが〔瀕死〕または〔死亡〕することはありません。
 〔MP〕はゲーム時間内のその日の終わりに、キャラクターが十分な睡眠や休息が取れているとゲームマスターが判断した場合、1d6点回復します。


3.8 一般技能

 〔一般技能〕または〔技能〕あるいは《技能》とは、キャラクターが生来または訓練によって獲得している技術を指します。キャラクターはメインクラスに設定された〔技能〕を最大8個まで選択し、それぞれの〔技能〕に設定された〔基本成功率〕に加え300ポイントを各〔技能〕に分配して習得します。〔技能〕の〔成功率〕(=〔基本成功率〕+分配したポイント)は100が最大値ですが、〔アビリティ〕や〔アイテム〕の効果により100を超えることがあります。0以下にはなりません。
 〔成功率〕は〔技能〕の習熟度も表します。例えば、《応急手当》の〔基本成功率〕は30(%)ですが、これは《応急手当》という〔技能判定〕を30%の確率で成功させることができる能力を会得していることを意味するほか、《応急手当》という行為に対し3割の理解があることをも意味します。
 以下は〔一般技能〕の一覧です。()内の数字は〔基本成功率〕です。〔技能〕には「専門知識」というオプションが用意されている場合があり、〔技能〕はそのオプションごとに別の〔技能〕とみなされます。例えば、《近接武器:剣》と《近接武器:斧》の〔技能〕は、別々の独立した〔技能〕として数えられます。

●《近接武器》(〔DEX〕x5)

 対象を攻撃する、対象からの攻撃を受け流すといった、近接武器を用いての戦闘技術を身につけていることを表します。専門知識は「剣」「斧」「槍」「拳」「棍」「杖」「盾」です。

●《遠隔武器》(〔DEX〕x5)

 対象を投げ槍や弓といった遠隔武器を用いて攻撃する戦闘技術を身につけていることを表します。専門知識は「銃」「弓」「投擲」です。

●《魔法詠唱》(〔INT〕x5)

 魔法を発動するための詠唱技術を身につけていることを表します。専門知識は「歌」「神言」「呪言」「星導」です。

●《魔法抵抗》(〔LUC〕×3)

 魔法に抵抗するための技術を身につけていることを表します。専門知識は「歌」「神言」「呪言」「星導」です。《魔法抵抗》に成功した場合、魔法によるダメージは半減され、魔法による効果は消滅します。

●《投擲》(〔DEX〕x5)

 「投擲」カテゴリの〔武器〕や、投擲可能なものを対象に投げつける技術を身につけていることを表します。《遠隔武器》と異なり、判定が成功しても、投擲によるポーションの他者への使用など、必ずしも対象にダメージを与えるとは限りません。

●《回避》(〔AGI〕x3)

 魔法以外の攻撃によるダメージを回避する技術を身につけていることを表します。

●《受け流し》(10または《近接武器》に等しい)

 魔法以外の攻撃を、近接武器や盾を用いて受け流し、ダメージを軽減する技術を身につけていることを表します。《受け流し》に成功すると、ダメージを半減させることができますが、《受け流し》に使用した〔武器〕の耐久値が2減少します。

●《不意打ち》(5)

 対象を物陰から、または対象の隙をついて攻撃する技術を身につけていることを表します。《不意打ち》は《警戒・察知》によって対抗され、対抗判定に勝利すると、《受け流し》を無視して対象にダメージを与えることができます。

●《奇襲》(5)

 対象に気づかれずに接近し、背後から襲いかかる技術を身につけていることを表します。《奇襲》は対象とその周囲にいる知覚を持つ存在全員が参加する《警戒・察知》の対抗判定に勝利してはじめて成功します。《奇襲》が成功した場合、敵は狼狽し、1ラウンドの間何も反撃ができません(《受け流し》や《回避》は可能です)。

●《警戒・察知》(5)

 周囲を警戒したり、隠れているものを見つけ出したり、罠を発見するする技術を身につけていることを表します。《警戒・察知》で隠れているものを見つけ出したい場合は、対象の《隠密》と対抗判定を行い、勝利する必要があります。

●《隠密》(5)

 物陰に隠れたり、人や物を隠したりする技術を身につけていることを表します。《警戒・察知》との対抗判定に勝利した場合、誰にも気づかれずに行動が可能です。

●《解錠》(5)

 鍵のかかった扉や箱、それに準ずる施錠されたものを開ける技術を身につけていることを表します。ゲームマスターは対象に任意の難易度を設定し、キャラクターは対抗判定を行います。成功した場合、罠があればそれも解除できます。

●《罠設置》(5)

 トラバサミを設置する、落とし穴を掘るといったさまざまな罠を仕掛ける技術を身につけていることを表します。《罠設置》に成功すると、罠は自動的に隠蔽され、その発見には《警戒・察知》と《隠密》による対抗判定が必要です。

●《手業》(5)

 スリをする、手のひらのコインを隠してしまう、手品を行うといった、対象に誤解を与えたり騙したりする技術を身につけていることを表します。《手業》による欺瞞を見破るには、《看破》による対抗判定が必要です。

●《交渉・調略》(15)

 言いくるめ、あるいは理路整然とした論理、根拠を示しての説得や、謀略をはりめぐらせる技術を身につけていることを表します。これらに対抗するためには、《看破》もしくは《交渉・調略》が必要です。

●《賭博》(〔LUC×3〕)

 コイントス、カード、ダーツやそれに準ずる賭け事において、勝利をもたらす技術を身につけていることを表します。同じく《賭博》によって対抗判定が行われます。

●《採集》(20)

 水、薬草、鉱石など、自然やそれに準ずる対象を採取する技術を身につけていることを表します。水を汲む、雑草を引き抜く、石を拾い集めるなどの簡単な動作について《採集》による技能判定を行う必要はありません。例えば「不純物が混ざらないように泉の水を採取する」「この薬草には葉に毒があるため、手袋をして慎重に摘み取る」「埋まっている鉱石をピッケルなどで掘り出す」といった場面で、《採集》による技能判定を行います。

●《調査・探索》(20)

 既存の情報網にあたったり、人に聞き込んだり、周囲に特筆すべきものがないか調べたりする技術を身につけていることを表します。ゲームマスターは対象の情報の重要性や秘匿性を踏まえて、難易度を設定したり、技能判定への修正を加えることができます。

●《追跡・逃走》(〔AGI〕x5)

 標的を追跡する、相手の前から逃走するといった技術を身につけていることを表します。同じく《追跡・逃走》によって対抗判定が行われます。

●《応急手当》(30)

 軽度の怪我に対して簡易的な手当てを行う技術を身につけていることを表します。この〔技能〕で〔HP〕を回復することはできませんが、判定に成功すれば、〔HP〕が0のキャラクターの〔HP〕を1に、〔HP〕が1もしくは2のキャラクターの〔HP〕を3に変更できます。《応急手当》は病気には効果がありません。病気の快復を望む場合は、《医学》による判定が必要です。

●《医学》(5)

 軽度〜重度の病気や怪我に対して治療を行う技術を身につけていることを表します。《医学》による治療行為の目標は「快癒」であり、そのため治療が数時間から数日の間に渡ることがあります。判定に成功した場合、病気や怪我がどこまで快癒するかは、ゲームマスターが個別に判断してください。

●《跳躍・登攀》(30)

 ロープやそれに準ずる支えを用いて、崖や壁をのぼる技術を身につけていることを表します。《跳躍・登攀》に失敗すると、キャラクターは落下もしくは転倒し、高低差や着地点の環境によるダメージを受けることがあります。このダメージは《受け流し》や〔防具〕の〔防御値〕で軽減することができます。

●《水泳》(25)

 向こう岸まで泳いで渡る、湖の底に潜る、船から落ちたので泳ぐなどの技術を身につけていることを表します。《水泳》に失敗すると、キャラクターは溺れたり水を飲んでしまったりしてダメージを受けることがあります。このダメージは《受け流し》や〔防具〕の〔防御値〕で軽減できません。

●《飼育・契約》(10)

 動物や魔物を手懐けたり、妖精や精霊と契約する技術を身につけていることを表します。妖精や精霊と契約する場合に限り、契約が成立したあと、キャラクターは〔従魔〕の〔HP〕が1もしくは2になった瞬間に〔気絶〕し、0になった瞬間に〔瀕死〕となり、そのまま6時間が経過するか戦闘が終了すると〔死亡〕します。逆も然りです。キャラクターひとりにつき飼育・契約できる〔従魔〕は3体までです。専門知識は「動物」「魔物」「妖精・精霊」です。

●《騎乗》(〔DEX〕x5)

 馬や竜、それに準ずる乗騎を操作する技術を身につけていることを表します。《騎乗》を習得しているキャラクターは、乗騎に誰かと相乗りしている状態でも、〔技能判定〕へのペナルティを受けません。

●《言語理解》(〔INTx5〕)

 自身や対象の話している言葉や内容をどれだけ理解しているかを表します。異なる言語間の通訳や翻訳をしたいとき、異なる言語で書かれたものを解読する際に使用します。専門知識は「エイル語」「外国語」「古代語」です。

●《ひらめき》(〔INT×3〕)

 問題が行き詰まったとき、直感や手かがりによって答えを得ることができる技術を身につけていることを表します。

●《鑑定》(15)

 主に正体不明の物品の詳細や価値(価格)を推測できる技術を身につけていることを表します。対象が歴史的遺物であれば、《知識:歴史学》や《知識:考古学》で、芸術作品であれば《芸術:◯◯》で代用することも可能です。

●《看破》(〔INTx3〕)

 詭弁に気づいたり、変装している人物、魔法などによって擬態している人や物の正体を暴く技術を身につけていることを表します。状況に応じて、《交渉・調略》もしくは《変装》あるいは《隠密》で対抗判定が行われます。

●《料理》(30)

 さまざまな食材を調理する技術を身につけていることを表します。

●《芸術》(15)

 さまざまな芸術に精通していることを表します。専門知識は「絵画」「音楽」「舞踊」「製作」など多岐に渡ります。プレイヤーはこれらの専門知識を芸術分野の範囲内で自由に設定して習得できますが、ゲームマスターはシナリオや世界観をふまえ、その内容を棄却する場合があります。

●《知識》(〔INT×3〕)

 特定の分野の知識に精通していることを表します。専門知識は「言語学」「経済学」「政治学」「歴史学」「民俗学」「文学」「神話学」「宗教学」「考古学」「地理・地域学」「人類学」「天文学」「生物学」「植物学」「化学」「遺伝学」「地質学」「数学」「気象学」「物理学」「動物学」です。学問の専門領域もまた多岐に渡りますが、上記より選択してください。

●《礼儀作法》(5)

 特定の社会階層や社会環境において適切な立ち居振る舞いを身につけていることを表します。ゲームマスターはこの〔技能〕の成否により、交渉や潜入などといった状況でのキャラクターの行動判定にボーナスを与えることができます。

●《道案内》(10)

 地図や土地勘、優れた方向感覚により目的地までの適切な経路を導き出す技術を身につけていることを表します。

●《変装》(5)

 別の人や物になりすます技術を身につけていることを表します。状況によっては、《看破》や《警戒・察知》による対抗判定があります。

3.9 魔法

 ベルティナ島に流れ着いた人々の中には、魔法使いもいました。魔法使いたちはベルティナ島に満ちる神秘の力を源に、自分たちの魔法を体系化しました。そうして生まれたのが、歌によって聴くものの心を揺さぶる「歌魔法」、信仰によって神々の奇跡を行使する「神言魔法」、古今東西の呪いや黒魔術から編み出された「呪言魔法」、空高く輝く星辰の力を地に降す「星導魔法」です。
 〔魔法〕または【魔法】は、「暗月の塔」と呼ばれる組織に属する賢者たちに教えを乞うことで習得できます。《魔法詠唱》の専門知識と同じ体系の魔法から、〔INT〕によって定められている数だけ呪文を教えてもらえます。

〔INT〕に基づく魔法習得制限

〔INT〕6〜9:1つ
〔INT〕10〜12:3つ
〔INT〕13〜15:5つ
〔INT〕16〜18:7つ

 習得できる呪文の数は、《魔法詠唱:○○》の〔技能〕が複数あっても共通です。〔INT〕13のキャラクターが《魔法詠唱:歌》と《魔法詠唱:呪言》を習得していた場合、習得できる〔魔法〕は〔歌魔法〕と〔呪言魔法〕の両体系から合わせて5つです。
 〔魔法〕の習得と運用、データの閲覧をご希望の方は、「暗月の塔」へとお進みください。

3.10 武器

 〔武器〕は、キャラクターが得意な分野のものをひとつ、はじめから所有しています。〔武器〕の携行数に制限はありませんが、大剣や大きな斧を5つも6つも持てないように、常識的な範囲で設定してください。例えば腰に〈ロングソード〉と〈ショートソード〉を1本ずつ装備し、背中に〈ウェポンホルダー〉を用いてもう一本大剣を装備している時、4本目に〈ロングスピア〉を装備しようとすると両手が塞がってしまうでしょう。
 〔武器〕は通常、鍛冶屋「煌きの火床(ほど)」で購入・売却が可能です。持ちきれない〔武器〕は、冒険者の宿に預けることができます。この倉庫に預けられる〔武器〕の数に制限はありません。
 〔武器〕をお買い求めの方は、鍛冶屋「煌めきの火床(ほど)」へとお進みください。

3.11 防具

 〔防具〕は、キャラクターが扱い慣れたものをひとつ、はじめから所有しています。装備箇所は「頭」「体」「腕」「足」「アクセサリー」の5つで、通常、鍛冶屋「煌きの火床(ほど)」で購入・売却が可能です。〔防具〕の携行数に制限はありませんが、金属鎧をいくつも持ち歩くことができないように、常識的な範囲で設定してください。持ちきれない〔防具〕は、冒険者の宿に預けることができます。この倉庫に預けられる〔防具〕の数に制限はありません。
 〔防具〕をお買い求めの方は、鍛冶屋「煌めきの火床(ほど)」へとお進みください。

3.12 所持品/アイテム

 〔所持品〕は〔武器〕と〔防具〕以外のその他の物品のうち、携行またはキャラクターが所有しているものの総称です。〔ステータス〕に補正を与えたり、〔HP〕や〔MP〕を回復したり、それらはさまざまな効果を持っています。多くはよろず屋「鷲獅子の尾」で購入できるほか、シナリオ中にNPCから譲ってもらったり、探索中に拾ったりします。
 〔所持品〕の数には制限はありませんが、携行できる〔所持品〕の数は常識的な範囲で設定してください。キャラクターは時に多くの小物を携行しますが、テントセットを5つも6つも運ぶことはできません。
 持ちきれない〔所持品〕は冒険者の宿の倉庫に預けることができます。この倉庫に預けられる〔所持品〕の数に制限はありません。
 〔所持品〕をお買い求めの方は、よろず屋「鷲獅子の尾」へとお進みください。

3.13 所持金

 キャラクターははじめからしばらく暮らしていくのに十分な資産(1000エルク)を有しています。ベルティナ島の共通通貨は「エルク」であり、金貨、銀貨、銅貨があります。一般的な商取引には銀貨と銅貨が用いられ、過ごしやすい宿に素泊まりするには50エルク、1食は5エルクから10エルクかかります。冒険者の宿では、冒険者であることを示すことで資産を預かってくれます。

3.14 拠点

 キャラクターの多くは、「踊る銀兎亭」をはじめとする冒険者の宿の2階以上に部屋を間借りしています。冒険者は、評議会に承認されている冒険者の宿には無償で泊まることができます。それ以外の民宿や持ち家を有している場合、1セッションごとに維持費がかかります。

各拠点の滞在費用(1セッションあたり)

野宿:なし
粗末な安宿:20エルク
過ごしやすい民宿(素泊まり):50エルク
食事付き:+5〜10エルク(1食あたり)
持ち家:100エルク

3.15 ライフパス

 これで、キャラクターのほとんどの項目を設定することができました。最後に、キャラクターの背景設定を決めましょう。これを〔ライフパス〕といいます。〔ライフパス〕は、「出自」「境遇」「目標」で構成されています。以下の項目からダイスでランダムに決定するか、キャラクターに適切なものを選択してください。

出自(1d10、RoC)

1:裕福な家に生まれた/貧しい家に生まれた
2:騎士/貴族の家系に生まれた
3:戦場をさすらう傭兵の子供である
4:両親に愛されて育った/両親に愛されずに育った
5:啓示や予言を受けたことがある(と信じている)
6:物心ついた時には天涯孤独の身だった
7:大怪我/大病を患ったことがある/死にかけたことがある
8:誰かに仕えている(いた)
9:罪を犯したことがある/罪人である
0:任意

境遇(1d10、RoC)

1:記憶喪失である
2:迷った果てにたまたま島にたどり着いた
3:命を救われたことがある
4:大切な人と生き別れている
5:大切な約束/契約をしている(いた)
6:順風満帆に生きている/試練の多い人生を送っている
7:誓いや信条など譲れないものがある
8:仇/敵対者/ライバルがいる(いた)
9:伴侶がいる(いた)
0:任意

目標(1d10、RoC)

1:ミーレの聖石を手に入れる
2:一攫千金を狙っている
3:探している人や物がある
4:運命に打ち勝つ
5:他に生き方がないので仕方なく
6:名声/自由を得る
7:大切な人たちを守る/救う
8:高みを目指して
9:啓示や予言を成就する
0:任意

4. 冒険者の宿「踊る銀兎亭」

 冒険者が仮住まいしたり、依頼を受けたりする拠点、それが「冒険者の宿」です。イルアードには冒険者の宿がいくつかありますが、最も規模が大きく、評議会から手厚い支援を受けているのが「踊る銀兎亭」です。あなたは評議会で発行してもらった身分証明書であるところの冒険者手帳を片手に、宿を訪れました。

「いらっしゃい。ここは銀兎亭だ。あんたが冒険者なら、値引きしてあげるよ」

 あなたは店主に冒険者手帳を見せました。店主は名簿にあなたの名前を新たに記載します。これで、あなたはこの宿を利用できるようになりました!

4.1 休息する

 宿では〔休息〕を取ることができます。〔休息〕によって、キャラクターの〔HP〕、〔MP〕、永続的でない〔状態異常〕は全て回復します。〔休息〕すると、ゲーム内時間で1日(24時間)が経過します。銀兎亭のように、評議会の認可を受けた冒険者の宿ならば、冒険者手帳を提示することで無償で〔休息〕することができます。その他の宿や拠点で〔休息〕する場合の費用は、「3.14 拠点」を参照してください。

4.2 情報収集する

 宿には他の冒険者も集まっています。彼らと会話することで、情報を得ることもできます。ゲームマスターは必要に応じて難易度を設定し、キャラクターに《調査・探索》による判定を行わせても構いません。

4.3 依頼を受ける

 宿の掲示板にはさまざまな依頼が貼られています。評議会の認可を受けた正式な依頼から、イルアードの街の住人が困りごとの解決を望んでのものもあります。少なくとも宿を通した依頼はしっかり報酬が支払われることになっています。逆に言えば、宿を通さずに冒険者に個人的な依頼を出したり、冒険者がそれを受けることは、禁じられてはいませんが、リスクの高い取引となります。
 依頼報酬は依頼達成の報告時に支払われますが、ゲームマスターは「前金」や「着手金」をキャラクターたちに渡しても構いません。その際、報酬合計の半分以上にならないようにしてください。

4.4 アイテム/所持金を預ける

 危険な依頼をこなし、資産が増えてきた際、大金を持ち歩くのが憚られる場合は、宿に預けることができます。預金額の上限や利息はありません。

5. 鍛冶屋「煌きの火床(ほど)」

 あなたは装備を整えるため、次に鍛冶屋「煌きの火床」へとやって来ました。背の低い、顎髭を蓄えた、厳つい顔の老人があなたを出迎えます。あなたが冒険者手帳を見せると、老鍛冶師は腕を組んであなたをじっと見つめます。

「……用件を言え」

 どうやら、注文を受けてくれるようです。

5.1 武器を買う

 身を守る〔武器〕は、必ずひとつは用意しておくことが望ましいでしょう。もしあなたが冒険者に成り立てなら(キャラクターを作成したばかりなら)、最初の一振りは無償で譲ってもらうことができます。次の10種類の〔武器〕の中から、得意なものを選びましょう。

データの見方:〈武器の名前〉〔値段〕《技能》〔ダメージ〕〔装備箇所〕〔射程〕〔耐久値〕

〈武器の名前〉:その〔武器〕の名前です。
〔値段〕:その〔武器〕の値段です。100Ęは100エルクを意味します。
《技能》:その〔武器〕を使用するのに必要な〔技能〕です。
〔ダメージ〕:その〔武器〕が対象に与えることができるダメージ量です。
〔装備箇所〕:その〔武器〕が片手(1H)で扱えるか、両手(2H)で扱えるかを表しています。
〔射程〕:その〔武器〕を攻撃に用いた際の射程です。基本的に、遠隔武器にのみ設定されています。
〔耐久値〕:その〔武器〕で《受け流し》をした際、〔武器〕がどれだけ耐えられるかを表しています。〔耐久値〕が0になると〔武器〕は壊れてしまい、失われます。

● 剣

〈ダガーナイフ〉〔40Ę〕《近接武器》〔1d4〕〔1H〕〔3〕
〈ショートソード〉〔100Ę〕《近接武器》〔1d10+DB〕〔1H〕〔10〕
〈ロングソード〉〔140Ę〕《近接武器》〔1d10+DB〕〔1H〕〔10〕
〈フランベルジェ〉〔400Ę〕《近接武器》〔1d10+4+DB〕〔2H〕〔12〕
〈クレイモア〉〔600Ę〕《近接武器》〔1d10+6+DB〕〔2H〕〔15〕
〈倭刀〉〔400Ę〕《近接武器》〔1d10+5+DB〕〔1H〕〔8〕
〈レイピア〉〔240Ę〕《近接武器》〔1d10+2+DB〕〔1H〕〔5〕

● 斧

〈ハンドアックス〉〔100Ę〕《近接武器》〔1d10+1+DB〕〔1H〕〔投擲時[ATK]m〕〔6〕
〈バトルアックス〉〔160Ę〕《近接武器》〔1d10+3+DB〕〔2H〕〔9〕
〈ハンマー〉〔200Ę〕《近接武器》〔1d10+5+DB〕〔2H〕〔9〕
〈トマホーク〉〔300Ę〕《近接武器》〔1d10+5+DB〕〔2H〕〔11〕
〈ウェポンブレイカー〉〔400Ę〕《近接武器》〔1d10+2+DB〕〔2H〕〔8〕
 └攻撃対象が《受け流し》に成功した場合、対象が《受け流し》に使用した武器の耐久値をさらに2減らします。
〈ベルセルク〉〔600Ę〕《近接武器》〔1d10+7+DB〕〔2H〕〔8〕
〈アヴェンジャー〉〔非売品〕《近接武器》〔1d10+6+DB〕〔1H〕〔投擲時[ATK]m〕〔6〕

● 槍

〈パイク〉〔80Ę〕《近接武器》〔1d10+DB〕〔1H〕〔投擲時[ATK]m〕〔4〕
〈ショートスピア〉〔120Ę〕《近接武器》〔1d10+1+DB〕〔1H〕〔投擲時[ATK]m〕〔8〕
〈スレンドスピア〉〔200Ę〕《近接武器》〔1d10+DB〕〔1H〕〔投擲時[ATK]m〕〔8〕
〈ジャベリン〉〔260Ę〕《近接武器》〔1d10+2+DB〕〔2H〕〔10〕
〈ランス〉〔400Ę〕《近接武器》〔1d10+3+DB〕〔2H〕〔12〕
〈ハルバード〉〔500Ę〕《近接武器》〔1d10+4+DB〕〔2H〕〔13〕
〈フランキスカ〉〔600Ę〕《近接武器》〔1d10+5+DB〕〔2H〕〔10〕

● 拳

〈ナックルガード〉〔40Ę〕《近接武器》〔1d4+2〕〔2H〕〔5〕
 └クリティカル率に+2%します。
〈ガントレット〉〔100Ę〕《近接武器》〔1d10+DB〕〔2H〕〔7〕
 └クリティカル率に+3%します。
〈バトルフィスト〉〔140Ę〕《近接武器》〔1d10+1+DB〕〔2H〕〔6〕
 └クリティカル率に+3%します。
〈リスレット〉〔220Ę〕《近接武器》〔1d10+3+DB〕〔2H〕〔9〕
 └クリティカル率に+4%します。
〈ドラゴンクロー〉〔480Ę〕《近接武器》〔1d10+4+DB〕〔2H〕〔7〕
 └クリティカル率に+5%します。
〈ホーリーグローブ〉〔600Ę〕《近接武器》〔1d10+5+DB〕〔2H〕〔8〕
 └クリティカル率に+3%します。種別:アンデッドのモンスターに対しては、さらに3点のダメージを与えます。
〈イーグルタロン〉〔非売品〕《近接武器》〔1d10+6+DB〕〔2H〕〔9〕
 └クリティカル率に+5%します。

● 棍

〈クラブ〉〔80Ę〕《近接武器》〔1d4〕〔1H〕〔10〕
〈メイス〉〔160Ę〕《近接武器》〔1d4〕〔1H〕〔11〕
〈ヘビーメイス〉〔220Ę〕《近接武器》〔1d4+4+DB〕〔2H〕〔12〕
〈アイアンクラブ〉〔320Ę〕《近接武器》〔1d4+7+DB〕〔2H〕〔12〕
〈トーチ〉〔400Ę〕《近接武器》〔1d4〕〔1H〕〔9〕
 └攻撃の対象に1点でもダメージを与えることができた場合、対象に〔炎上[1d4]〕を付与します。
〈モーニングスター〉〔480Ę〕《近接武器》〔1d10+3+DB〕〔1H〕〔10〕
〈グラント〉〔非売品〕《近接武器》〔1d10+5+DB〕〔2H〕〔11〕

● 杖

〈スタッフ〉〔100Ę〕《近接武器》〔1d4〕〔2H〕〔8〕
 └装備時、《魔法詠唱》に+2します。
〈ロッド〉〔140Ę〕《近接武器》〔1d4〕〔2H〕〔8〕
 └装備時、《魔法詠唱》に+3します。
〈マナスタッフ〉〔220Ę〕《近接武器》〔1d4〕〔2H〕〔9〕
 └装備時、《魔法詠唱》に+4します。
〈アークロッド〉〔320Ę〕《近接武器》〔1d4〕〔2H〕〔10〕
 └装備時、《魔法詠唱》に+5します。
〈セプター〉〔400Ę〕《近接武器》〔1d4〕〔1H〕〔11〕
 └装備時、《魔法詠唱》に+6します。
〈ホーリーロッド〉〔520Ę〕《近接武器》〔1d4〕〔2H〕〔12〕
 └装備時、《魔法詠唱》に+5、【神言魔法】の〔HP〕回復量に+1d4します。
〈ケリュケイオン〉〔非売品〕《近接武器》〔1d4〕〔2H〕〔10〕
 └装備時、《魔法詠唱》に+8します。

● 投擲

〈ストーン〉〔0Ę〕《遠隔武器》〔1d4〕〔1H〕〔投擲時[ATK]m〕〔0〕
 └道端に転がっている変哲もない石です。ゲームマスターは、屋外で石がありそうな場所であれば、キャラクターに〈ストーン〉の拾得を認めることができます。
〈フレイル〉〔200Ę〕《遠隔武器》〔1d10〕〔2H〕〔投擲時[ATK]m〕〔0〕
〈チャクラム〉〔240Ę〕《遠隔武器》〔1d10+DB〕〔1H〕〔投擲時[ATK]m〕〔0〕
〈タスラム〉〔300Ę〕《遠隔武器》〔1d10+3+DB〕〔2H〕〔投擲時[ATK]m〕〔0〕
〈マナダート〉〔60Ę〕《遠隔武器》〔1d10〕〔1H〕〔投擲時[ATK]m〕〔0〕
 └消耗品です。投擲した〈マナダート〉は失われます。攻撃時に防御値を無視したダメージを与えます。
〈グレネード〉〔60Ę〕《遠隔武器》〔1d10+2〕〔1H〕〔投擲時[ATK]m〕〔0〕
 └消耗品です。投擲した〈グレネード〉は失われます。攻撃の対象に1点でもダメージを与えることができた場合、対象に〔炎上[1d4]〕を付与します。
〈スタングレネード〉〔120Ę〕《遠隔武器−30》〔1d10〕〔1H〕〔投擲時[ATK]m〕〔0〕
 └消耗品です。投擲した〈スタングレネード〉は失われます。対象に投擲した〈スタングレネード〉が命中した場合、対象を〔スタン〕させます。

● 銃

 銃武器には〔弾数〕があります。通常1回の攻撃で〔弾数〕を1消費します。〔弾数〕が0になった場合、〔リロード〕することで〔弾数〕を最大値まで回復します。〔リロード〕をした手番では、移動も攻撃もできません。
 銃武器によるダメージを受けた場合は、防御値を半分(端数切り捨て)にしてダメージ計算を行います。

〈ハンドガン〉〔240Ę〕《遠隔武器》〔1d10+DB〕〔1H〕〔40m〕〔4〕〔弾数6〕
〈ライフル〉〔400Ę〕《遠隔武器》〔1d10+2+DB〕〔1H〕〔100m〕〔4〕〔弾数3〕
〈ペトロネル〉〔500Ę〕《遠隔武器》〔1d10+3+DB〕〔2H〕〔100m〕〔4〕〔弾数4〕
〈デリンジャー〉〔600Ę〕《遠隔武器》〔1d10+4+DB〕〔2H〕〔120m〕〔4〕〔弾数4〕
〈トラドール〉〔800Ę〕《遠隔武器》〔1d10+5+DB〕〔2H〕〔140m〕〔4〕〔弾数4〕
〈テンペスト〉〔1000Ę〕《遠隔武器》〔1d10+6+DB〕〔2H〕〔140m〕〔4〕〔弾数4〕
〈イフリート〉〔非売品〕《遠隔武器》〔1d10+7+DB〕〔2H〕〔100m〕〔4〕〔弾数3〕

● 弓

〈ショートボウ〉〔80Ę〕《遠隔武器》〔1d10+1+DB〕〔2H〕〔30m〕〔5〕
〈ロングボウ〉〔140Ę〕《遠隔武器》〔1d10+DB〕〔2H〕〔60m〕〔5〕
〈クロスボウ〉〔220Ę〕《遠隔武器》〔1d10+3+DB〕〔2H〕〔50m〕〔5〕
〈コンポジットボウ〉〔240Ę〕《遠隔武器》〔1d10+4+DB〕〔2H〕〔60m〕〔5〕
〈ハンターボウ〉〔400Ę〕《遠隔武器》〔1d10+5+DB〕〔2H〕〔50m〕〔5〕
〈アーバレスト〉〔600Ę〕《遠隔武器》〔1d10+6+DB〕〔2H〕〔70m〕〔5〕
〈アルテミス〉〔非売品〕《遠隔武器》〔1d10+7+DB〕〔2H〕〔80m〕〔5〕

● 盾

〈バックラー〉〔60Ę〕《近接武器》または《受け流し》〔2d4+DB〕〔1H〕〔11〕
〈カイトシールド〉〔100Ę〕《近接武器》または《受け流し》〔2d4+DB〕〔1H〕〔12〕
〈ラウンドシールド〉〔220Ę〕《近接武器》または《受け流し》〔2d4+DB〕〔1H〕〔14〕
〈タワーシールド〉〔360Ę〕《近接武器》または《受け流し》〔2d4+DB〕〔2H〕〔15〕
〈エレメンタルシールド〉〔500Ę〕《近接武器》または《受け流し》〔1d4+DB〕〔1H〕〔10〕
〈ナイトシールド〉〔600Ę〕《近接武器》または《受け流し》〔2d4+DB〕〔1H〕〔15〕
〈タイタン〉〔非売品〕《近接武器》または《受け流し》〔2d4+DB〕〔2H〕〔17〕

5.2 防具を買う

 身を守るために、〔防具〕は欠かせません。〔防具〕はダメージを軽減し、あなたの命を守ります。〔防具〕は「頭」「体」「腕」「足」「アクセサリー」の5箇所に装備できます。

データの見方:〈防具の名前〉〔値段〕〔防御値〕

〈防具の名前〉:その〔防具〕の名前です。
〔値段〕:その〔防具〕の値段です。100Ęは100エルクを意味します。
〔防御値〕:その〔防具〕がどれだけダメージを軽減できるかを表しています。

● 頭

〈ヘルム〉〔120Ę〕〔3〕
〈マナハット〉〔100Ę〕〔1〕
 └装備中、《魔法詠唱》に+2します。
〈ハンターキャップ〉〔60Ę〕〔1〕
〈バンダナ〉〔40Ę〕〔1〕
〈フルフェイス〉〔300Ę〕〔5〕
〈コットンフード〉〔60Ę〕〔1〕
〈せんめんき〉〔非売品〕〔0〕

● 体

〈ローブ〉〔120Ę〕〔1〕
〈マント〉〔200Ę〕〔1〕
〈ソフトレザー〉〔170Ę〕〔2〕
〈チェインメイル〉〔300Ę〕〔3〕
〈プレートメイル〉〔500Ę〕〔5〕
〈ハイディングマント〕〔450Ę〕〔1〕
〈ゆかた〉〔非売品〕〔0〕

● 腕

〈ブレスレット〉〔100Ę〕〔0〕
〈マナリング〉〔200Ę〕〔0〕
〈マジックリスト〉〔230Ę〕〔0〕
〈ソーサラーリング〉〔300Ę〕〔0〕
〈デーモンリング〉〔360Ę〕〔0〕
〈ホーリーリング〉〔420Ę〕〔0〕
〈てぬぐい〉〔非売品〕〔0〕

● 足

〈サンダル〉〔40Ę〕〔1〕
〈アンクレット〉〔80Ę〕〔0〕
〈ブーツ〉〔50Ę〕〔1〕
〈グリーヴ〉〔100Ę〕〔2〕
〈キュイス〉〔120Ę〕〔1〕
〈ソルレット〉〔200Ę〕〔2〕
〈げた〉〔非売品〕〔0〕

● アクセサリー

〈リボン〉〔20Ę〕〔0〕
〈イヤリング〉〔50Ę〕〔0〕
〈ペンダント〉〔80Ę〕〔0〕
〈マジックベルト〉〔100Ę〕〔0〕
〈アミュレット〉〔120Ę〕〔0〕
〈ブローチ〉〔60Ę〕〔0〕
〈おふろセット〉〔非売品〕〔0〕

※〈せんめんき〉〈ゆかた〉〈てぬぐい〉〈げた〉〈おふろセット〉を全て装備しているキャラクターは、ターン終了時に〔HP〕を1d4点、〔MP〕を1d4点回復します。

5.3 売却する

 冒険を進めていくと、その時々で身の丈にあった装備をするようになり、古い装備は不要になっていきます。その際、いらなくなった〔武器〕や〔防具〕を売却することができます。売却値は、その〔武器〕や〔防具〕の値段の半分です。〔オーダーメイド〕および〔魔化〕した〔武器〕や〔防具〕は売却・譲渡できません。

5.4 武器の修理

 〔武器〕には〔耐久値〕が存在し、《受け流し》でダメージを軽減する毎に減っていきます。100エルク払うことで、〔耐久値〕を2点回復できます。修理には1回につき、ゲーム時間で1日かかります。

5.5 オーダーメイド

 より自分に合った〔武器〕や〔防具〕を装備したい時は、〔オーダーメイド〕を申し込むことができます。〔オーダーメイド(OM)〕で作成した〔武器〕や〔防具〕は、無料で自由に名前を変えることができます。その際は、元になった〔武器〕や〔防具〕がわかるように記述してください。

(例)〈ロングソード〉を〔オーダーメイド〕
   →〈形見のつるぎ@OMロングソード〉

 さらに〔オーダーメイド〕では、エルクを払うことによって〔武器〕や〔防具〕の性能をカスタマイズできます。

● オーダーメイド一覧
・〔DB〕+1:1000Ę(最大+3まで)
・〔耐久値〕+1:500Ę(最大+3まで)
・〔防御値〕+1:1000Ę(最大+3まで)

 また、〔オーダーメイド〕した〔武器〕または〔防具〕は売却・譲渡することができません。注意してください。

5.6 武器の魔化

 〔オーダーメイド〕による強化では物足りない冒険者には、〔魔化(EF)〕という強化が用意されています。専用の素材とそれなりのエルクが必要ですが、〔魔化〕することであなたの〔武器〕は一段と強くなります。〔魔化〕はひとつの〔武器〕につき1回までで、〔魔化〕にはゲーム時間で1日かかります。

● 魔化一覧
・火属性付与:500Ę、〈燃えるたてがみ〉
・火属性付与、DB+1:1000Ę、〈華炎草〉
・火属性付与、DB+2:2000Ę、〈火竜の鱗〉
・雷属性付与:500Ę、〈ぱちぱちゼリー〉
・雷属性付与、DB+1:1000Ę、〈紫電魚〉
・雷属性付与、DB+2:2000Ę、〈雷竜の爪〉
・氷属性付与:500Ę、〈ひんやりドロップ〉
・氷属性付与、DB+1:1000Ę、〈吹雪苔〉
・氷属性付与、DB+2:2000Ę、〈氷竜の牙〉
・ダメージ計算時、対象の〔防御値〕-1:500Ę、〈隕石〉
・ダメージ計算時、対象の〔防御値〕-2:1000Ę、〈恵み石〉
・ダメージ計算時、対象の〔防御値〕-3:2000Ę、〈竜眼石〉

 〔魔化〕した〔武器〕は、それとわかるように名前の最初に「EF」と記述し、詳細を備考欄にメモしてください。

(例)〈華炎草〉で〔魔化〕した〈ロングソード〉
   →〈EFロングソード〉
     └火属性付与、DB+1

 また、〔オーダーメイド〕した〔武器〕を〔魔化〕することはできますが、先に〔魔化〕した〔武器〕を〔オーダーメイド〕することは、当然、できません。
 さらに、〔魔化〕した〔武器〕は売却・譲渡することができません。注意してください。

6. よろず屋「鷲獅子の尾」

 あなたは〈武器〉と〈防具〉を買い求め、それらを装備しました。しかし、それだけで樹海を探索するのは少々危険です。怪我をした時に使える薬は? 崖から落ちた時にどのように這い上がるか? 野営に必要な道具や食糧も用意しなくてはいけません。あなたはよろず屋「鷲獅子の尾」へと向かいました。

「よろず屋へようこそ! 何をお求めですか?」

 あなたは店主に冒険者手帳を見せ、冒険者向けの〔アイテム〕の購入資格があることを示しました。店主は奥の棚へとあなたを案内します。

6.1 アイテムを買う

● 回復アイテム

〈満月草〉〔20Ę〕
 └〔HP〕を2d4点回復します。
〈祝福の水〉〔30Ę〕
 └〔MP〕を2d4点回復します。
〈神竜草の葉〉〔100Ę〕
 └〔HP〕を2d10点回復します。
〈神竜草の実〉〔150Ę〕
 └〔MP〕を2d10点回復します。
〈毒消し草〉〔50Ę〕
 └〔毒〕状態を完全回復します。
〈万能薬〉〔250Ę〕
 └すべての〔状態異常〕を完全回復します。 

● 冒険者アイテム

〈遠眼鏡〉〔30Ę〕
 └遠くの人や物を視認することができます。
〈ダガーナイフ〉〔40Ę〕
 └〔武器〕の〈ダガーナイフ〉と同一です。
〈ロープセット〉〔20Ę〕
 └20mのロープとくさびのセットです。
〈蝋燭〉〔5Ę〕
 └6本セットです。1本につき4時間燃え続けます。片手で保持しますが、落とすと火は消えてしまいます。
〈松明〉〔15Ę〕
 └6本セットです。1本につき8時間燃え続けます。片手で保持しますが、落とすと火は消えてしまいます。
〈ランタン〉〔30Ę〕
 └12時間あたりを照らします。片手で保持しますが、落とすと割れてしまい、火も消えてしまいます。
〈油〉〔5Ę〕
 └〈ランタン〉に充填する油です。3回分です。
〈火口箱〉〔5Ę〕
 └〈蝋燭〉〈松明〉〈ランタン〉に火を灯す際に使用します。1セット30本です。
〈妖精の火〉〔10名誉点〕
 └触れても燃え移らず、熱さも感じない魔法の火です。〔MP〕を2点消費することで使用者の頭上に灯り、24時間の間あたりを照らします。非消耗品であり、使用の際、妖精との契約は必要ありません。
〈記憶磁針〉〔50Ę〕
 └磁場が狂っているような場所でも北を指し続ける魔法の針です。
〈万能鍵〉〔10名誉点〕
 └《解錠》の判定なしにどんな錠前も開けてしまう魔法の鍵です。消耗品です。
〈毛布〉〔5Ę〕
〈寝袋〉〔10Ę〕
〈テント〉〔30Ę〕
 └5人用です。
〈保存食〉〔70Ę〕
 └1週間分です。1日ぶんだけ買いたい場合は、10Ęです。
〈酒瓶〉〔5Ę〕
 └500mlの値段です。
〈水筒〉〔5Ę〕
 └最大1Lの液体を保管できる筒です。
〈水袋〉〔10Ę〕
 └最大2Lの液体を保管できる袋です。

● その他のアイテム

〈道標の輝石〉〔5Ę〕
 └きらりと光って道標になる石です。
〈インク〉〔5Ę〕
〈筆記用具〉〔5Ę〕
〈白紙の本〉〔10Ę〕
 └1冊30ページです。
〈羊皮紙〉〔5Ę〕
 └5枚セットです。
〈絵具セット〉〔10Ę〕
 └12色絵具とはけのセットです。
〈火炎瓶〉〔15Ę〕
 └《投擲》に成功することで、[ATK]m内にいる対象に投げつけ、〔炎上〕1点を付与します。
〈雷鳴石〉〔15Ę〕
 └《投擲−30》に成功することで、[ATK]m内にいる対象に投げつけ、〔スタン〕を付与します。
〔氷晶片〉〔15Ę〕
 └《投擲−30》に成功することで、[ATK]m内にいる対象に投げつけ、〔凍結〕を付与します。
〈食器〉〔5Ę〕
〈調理道具〉〔5Ę〕
〈ティーセット〉〔10Ę〕
〈手鏡〉〔5Ę〕
〈砂時計〉〔5Ę〕
 └3分を測ることができます。
〈化粧道具〉〔5Ę〕
 └《変装》判定時に使用することで、基本成功率に+5します。
〈着替え〉〔100Ę〕
 └1週間分です。
〈普段着〉〔20Ę〕
 └1着あたりの値段です。
〈礼服〉〔100Ę〜〕
 └1着あたりの値段です。
〈煙草〉〔10Ę〕
 └1セット12本入りの紙巻きたばこです。

● 料理レシピ

 〈レシピ〉を所持していると、該当の料理を作ることができます。非消耗品です。

〈レシピ:ブレックファスト〉〔15Ę〕
 └食べたキャラクターは2時間のあいだ、〔DB〕+1。
〈レシピ:サラダ〉〔15Ę〕
 └食べたキャラクターは2時間のあいだ、〔HP〕+2。
〈レシピ:クリームスープ〉〔15Ę〕
 └食べたキャラクターは2時間のあいだ、〔MP〕+2。
〈レシピ:香草肉焼き〉〔15Ę〕
 └食べたキャラクターは2時間のあいだ、〔防御値〕+1。
〈レシピ:ミルククッキー〉〔15Ę〕
 └食べたキャラクターは2時間のあいだ、〔MOV〕+1。

6.2 売却する

 〔武器〕や〔防具〕と同様に、〔アイテム〕も半額で売却することができます。ただし、〔掘り出し物〕や、〔名誉点〕を消費して獲得した〔アイテム〕は売却できません。

6.3 掘り出し物

 〔掘り出し物〕とは、〔アイテム〕のうち、〔魔化〕や〔マジッククラフト〕に使用する素材を指します。〔掘り出し物〕は売却することができません。

● 三賢者のおくりもの〔500Ę〕(1d4)

1:〈燃えるたてがみ〉
2:〈ぱちぱちゼリー〉
3:〈ひんやりドロップ〉
4:〈隕石〉

● 七英雄のたからもの〔1000Ę〕(1d4)

1:〈華炎草〉
2:〈紫電魚〉
3:〈吹雪苔〉
4:〈恵み石〉

● 十三使徒のささげもの〔2000Ę〕(1d4)

1:〈火竜の鱗〉
2:〈雷竜の爪〉
3:〈氷竜の牙〉
4:〈竜眼石〉

● 百種のつかいもの〔100Ę〕(d66)

1-1:〈ラウダナム〉
1-2:〈ホムンクルスのミイラ〉
1-3:〈イモリの黒焼き〉
1-4:〈竜血〉
1-5:〈蒸留水〉
1-6:〈エーテル結晶〉
2-1:〈古代樹の実〉
2-2:〈追憶草〉
2-3:〈覇王樹の針〉
2-4:〈エーテル液〉
2-5:〈幻朝露〉
2-6:〈蜂蜜〉
3-1:〈毒蜘蛛の糸〉
3-2:〈もこもこしっぽ〉
3-3:〈エリスロイト〉
3-4:〈猫芥子草〉
3-5:〈妖精の粉〉
3-6:〈獣の皮〉
4-1:〈朽ちた骨〉
4-2:〈柔らかい羽〉
4-3:〈ダマスカス鉱〉
4-4:〈うつろな魂〉
4-5:〈アルメリアム〉
4-6:〈ローレライト〉
5-1:〈いびつな魂〉
5-2:〈蛇の抜け殻〉
5-3:〈ねばねば液〉
5-4:〈絶叫根〉
5-5:〈黄詰草〉
5-6:〈しめつけ蔦〉
6-1:〈エーテル糸〉
6-2:〈狐尾茸〉
6-3:〈しなやかしっぽ〉
6-4:〈ストーン〉
6-5:〈厄災の樹液〉
6-6:〈魔晶石〉

7. 暗月の塔 編纂室

 装備を整え、樹海を探索する上で必要な道具も揃いました。いざ仲間を集めて依頼を受けよう——そんなあなたに、通りがかりの魔法使いが声をかけます。

「あんた、冒険者かい? なら、魔法のひとつやふたつは、使えないとね」

 あなたは魔法に縁があるかもしれませんし、ないかもしれません。しかし魔法が便利な技術であることは理解しています。あなたは魔法使いのすすめに従って魔法を習得してもいいですし、魔法使いを無視しても構いません。

7.1 魔法とは

 【魔法】とは、ベルティナ島全体に満ちる神秘の力を利用するための技術です。ベルティナ島に流れ着いた古今東西の魔法使いたちにより【魔法】は再編纂され、新たに4つの分野に体系づけられました。それが、「歌魔法」「神言魔法」「呪言魔法」「星導魔法」です。【魔法】の習得数は〔INT〕に依存しており、習得している《魔法詠唱》と同じ専門知識の【魔法】のみを習得できます。詳しい習得条件は「3.9 魔法」を参照してください。
 【魔法】による効果は《魔法抵抗》に成功することで消滅させることができますが、【魔法】によるダメージについては半減させるにとどまります。また、【魔法】によるダメージは〔防御値〕で軽減できません。

●歌魔法
 【歌魔法】は、歌い続けているあいだ、「術者を中心に20m」の範囲の、聴覚を有し、正常に機能している(N)PCに効果を及ぼす魔法です。《魔法詠唱:歌》の判定に成功し、かつ対象が《魔法抵抗》に失敗した場合にのみ効果を発揮します。【歌魔法】は発声が可能な状況でなければ使用はできず、【歌魔法】は後から発動したものに上書きされます。例えば、あなたが【クレイドル】を歌っている途中、誰かが【アーリーバード】を歌い始めたら、【アーリーバード】の効果のみが適用されます。

【アーリーバード】〔MP2〕
 └元気いっぱい、おはようの歌。〔睡眠〕状態にあるキャラクターを目覚めさせます。
【クレイドル】〔MP4〕
 └今日はもうおやすみなさい。対象を〔睡眠〕状態にします。
【アリア】〔MP3〕
 └この歌に合わせて。対象の《魔法詠唱》に+5します。
【エレジー】〔MP5〕
 └それは悲しみの物語。対象の〔DB〕に−2します。
【オラトリオ】〔MP4〕
 └神へ捧げる信仰歌。対象の【神言魔法】の〔HP〕回復量に+1d4します。
【パッション】〔MP5〕
 └情熱的な戦いの歌。対象の〔DB〕に+2します。
【レクイエム】〔MP7〕
 └死者は眠れ。「種別:アンデッド」のモンスターのあらゆる行動を不可能にします。

● 神言魔法

 【神言魔法】は、信仰する神に祈りを捧げることで効果を得られる魔法です。発声は必ずしも必要ありませんが、《魔法詠唱:神言》に成功する必要があります。【魔法】の対象者は、効果を受けるかどうかを選択することができます。

【キュアウーンズ】〔MP2〕
 └基本的な癒しの魔法です。術者を起点に10m内に存在するキャラクターひとりの〔HP〕を、[1d10+〔INT÷2〕]点回復します。〔HP〕が0点のキャラクターの〔HP〕を回復するには、【レイズ】を使用してください。
【メディテーション】〔MP5〕
 └より効果的な癒しの魔法です。術者を起点に10m内に存在するキャラクターの〔HP〕を、[1d4+〔INT〕÷2]点回復します。効果対象を選択から除外することも可能です。〔HP〕が0点のキャラクターの〔HP〕を回復するには、【レイズ】を使用してください。
【ブレス】〔MP2〕
 └神の加護を対象に付与する魔法です。術者を起点に6m内に存在するキャラクターひとりの〔DB〕に+2します。
【リジェネレイト】〔MP4〕
 └復活の加護を対象に付与する魔法です。術者を起点に3m内に存在するキャラクターひとりを対象にとり、そのキャラクターの〔HP〕が0点になった瞬間に一度だけ効果が適用されます。対象のキャラクターの〔HP〕は3点に変更され、〔瀕死〕や〔気絶〕を免れます。
【レスト】〔MP2〕
 └神聖な祈りにより対象の苦しみを取り除きます。術者を起点に15m内に存在するキャラクターひとりの〔状態異常〕をひとつ、解除します。ただし、〔死亡〕〔瀕死〕〔気絶〕は解除できません。
【レイズ】〔MP10〕
 └神の奇跡を行使し、対象を死の淵から呼び戻します。術者を起点として3m内に存在する、〔HP〕が0点である〔瀕死〕状態のキャラクターひとりの〔HP〕を[1d4]点に変更します。キャラクターの状態は〔瀕死〕から〔気絶〕に変更されます(HPが3点以上であってもです)。この【魔法】によって、〔炎上〕〔スタン〕〔凍結〕は解除されず、キャラクターは〔転倒〕したままです。
【サンクチュアリ】〔MP5〕
 └簡易的な神聖結界を用意します。術者を中心とする10m内の範囲にいるキャラクターは、【魔法】による〔HP〕の回復効果を受ける時、その効果量に+1d4されます。この【魔法】の効果範囲は術者の移動とともに変動し、3ラウンド持続したのち、消滅します。

● 呪言魔法

 【呪言魔法】は、いわゆる呪いや黒魔術と呼ばれる分野の【魔法】です。発動には《魔法詠唱:呪言》に成功する必要があるほか、発声ができる状況である必要があります。また、対象が《魔法抵抗》に成功した場合は効果を発揮しないか、ダメージが半減します。

【カース】〔MP3〕
 └対象を呪います。術者を起点とする20m内の範囲にいるキャラクターひとりに、〔盲目〕または〔呪縛〕または〔恐怖〕のいずれかを付与します。この【魔法】による効果は3ラウンド後に自然消滅します。
【ディスエンチャント】〔MP3〕
 └対象にかけられた呪いを解除します。術者を起点とする20m内の範囲にいるキャラクターひとりの、〔盲目〕または〔呪縛〕または〔恐怖〕または〔混乱〕のいずれかを解除します。
【ユーサネイジア】〔MP10〕
 └対象を即死させます。術者を起点とする20m内の範囲にいるキャラクターひとりを対象にとり、《魔法詠唱−60》で判定し、対象が《魔法抵抗》に失敗した場合、対象の〔HP〕は即座に0点になります。この【魔法】はゲーム時間で1週間に1回しか使えません。
【ルーンアンプリファイア】〔なし〕
 └術者の魔力を高めます。この【魔法】を習得しているあいだ、術者は対象に何らかのダメージを与える【魔法】のダメージに+[1d4]点されます。
【フレイム】〔MP4〕
 └炎を操り、対象を攻撃します。術者を起点とする20m内の範囲にいるキャラクターひとりに、[1d4+〔INT〕÷2]点のダメージを与え、ダメージが1点でも適用された場合、対象に〔炎上〕1d4点を付与します。対象が《魔法抵抗》に成功した場合、ダメージは半減されます。
【ライトニング】〔MP4〕
 └雷を操り、対象を攻撃します。術者を起点とする20m内の範囲にいるキャラクターひとりに、[1d4+〔INT〕÷2]点のダメージを与え、さらに対象が《魔法抵抗》に失敗していた場合、対象に〔スタン〕を付与します。対象が《魔法抵抗》に成功した場合、ダメージは半減され、〔スタン〕は消滅します。
【アイシクル】〔MP4〕
 └氷を操り、対象を攻撃します。術者を起点とする20m内の範囲にいるキャラクターひとりに、[1d4+〔INT〕÷2]点のダメージを与え、さらに対象が《魔法抵抗》に失敗していた場合、対象に〔凍結〕を付与します。対象が《魔法抵抗》に成功した場合、ダメージは半減され、〔凍結〕は消滅します。

● 星導魔法

 【星導魔法】は星辰の力を地上に降す【魔法】です。発動には必ずしも発声を必要としませんが、《魔法詠唱:星導》に成功する必要があるほか、「術者の目が見えている」必要があります。また、対象が《魔法抵抗》に成功した場合は効果を発揮しません。

【スターガイド】〔MP2〕
 └全天の星の運行を見て、活路を導き出します。目的地までの経路を正確に把握します。日中では、方位を確認するに止まります。
【エーテルウェポン】〔MP3〕
 └星辰の力で武器を作り出します。作成できる武器は、「近接武器」「技能:《魔法詠唱:星導》」「ダメージ:1d4+〔INT〕÷2」「1H」「耐久値:3」です。作成した武器は24時間後、もしくは術者が決めた任意のタイミング、または術者の〔気絶〕〔瀕死〕〔死亡〕により消滅します。術者以外のキャラクターが装備することもできます。
【グラビティ】〔MP4〕
 └星が持つ引力を限定的に操作します。術者を起点とする15m内の範囲にいるキャラクターひとりの〔MOV〕を半減させます。この効果は3ラウンド持続し、その後消滅します。
【ルナ】〔MP4〕
 └月の魔力で対象を錯乱させます。術者を起点とする15mの範囲にいるキャラクターひとりを対象にとり、対象が《魔法抵抗》に失敗した場合、対象に〔混乱〕を付与します。この効果は3ラウンド持続し、その後消滅します。
【イクリプス】〔MP5〕
 └あたりを暗闇で包みます。術者を中心に15m内の範囲は暗闇に閉ざされ、キャラクターは光を認識できなくなります。この暗闇の中で自分以外の人や物を認識するためには、《警戒・察知》に成功するか、〈妖精の火〉を使用する必要があります。
【アルカナ・アリエ】〔MP3〕
 └ランダムな効果を対象に付与します。術者を起点とする10m内の範囲にいるキャラクターひとりを対象にとり、1d6を振って対象に及ぼす効果をランダムに決定します。
  1:効果なし
  2:星。〔INT〕+2
  3:月。〔MP〕+2
  4:太陽。〔HP〕+4
  5:審判。〔DB〕+2
  6:世界。〔MOV〕+1
  この【魔法】の効果は3ターン持続し、その後消滅します。
【メテオ】〔MP12〕
 └魔力で編んだ星を降らせる大魔法です。術者を起点とする30m内の範囲の任意の1点を中心として、半径10m内にいるキャラクター全員に、〔1d10+INT〕点のダメージを与えます。対象が《魔法抵抗》に成功した場合、ダメージは半減されます。この【魔法】はゲーム時間で1週間に1回しか使えません。


7.2 魔法を習得する

 【魔法】は、塔の魔法使いから直接習います。【魔法】ひとつにつき200エルクの授業料を支払い、ゲーム時間で1週間かけて座学や実戦などで訓練します。【魔法】はキャラクターの〔INT〕により、習得できる数が決まっています。「3.9 魔法」を参照してください。
 7つの【魔法】を習得した者は「星」と呼ばれ、世界の真理に最も近い存在だと言われています。

7.3 魔法を研究する

 【魔法】の習得数には個々人の限界がありますが、〔研究〕によって習得済の【魔法】をより扱いやすく、効果を増大させることができます。例えば、魔力(MP)を節約したり、成功率をあげたり、より効果的にダメージを与えることができるようになります。ひとつの【魔法】に対し、〔研究〕可能な回数は3回までで、1回につき500エルクかかるほか、1段回目はゲーム時間で1週間、2段回目は1ヶ月、3段回目は半年かかります。それぞれの段階で同じ研究を行った場合、得られる効果は累積します。

● 研究内容
 ・消費〔MP〕−1(最低1)
 ・その【魔法】を使用する際の《魔法詠唱》に+2
 ・その【魔法】の効果量に+2
よりいずれかひとつ。

7.4 従魔を飼う/契約する

 〔魔獣使い/テイマー〕は、動物や妖精、精霊、魔物など(〔従魔〕)を従えることができますが、必ず塔の魔法使いに報告しなければなりません。対象によっては許可がおりず、〔従魔〕が剥奪される場合もあります。〔従魔〕はその主人とともに、塔の名簿に記帳されます。その際、登録費用がかかります。
 テイマーが従えることができる〔従魔〕は3体まで、同行させることができる〔従魔〕は1体までです。同行していない〔従魔〕は塔に預けることができます。
 また、〔従魔〕のうち、妖精または精霊を従えるには対象と〔契約〕を結ぶ必要があります。〔契約〕は、妖精または精霊の願いを叶えることで成立します。〔契約〕による効果については「3.6.1 メインクラス:魔獣使い/テイマー」の「アビリティ:〔ライフシェア〕」の項目を参照してください。
 〔従魔〕はその主人であるテイマーと同じ手番に行動します。〔従魔〕の行動はテイマーの前でも、後でも構いませんが、他のキャラクターの行動時に差し込むことはできません。
 〔従魔〕はそれぞれキャラクターと同程度のデータを有しています。詳しくは「10. モンスター図鑑」を参照してください。

● 動物

〈狼〉:200Ę。
〈虎〉:200Ę。1人まで騎乗可能。
〈鷹〉:200Ę。
〈熊〉:250Ę。1人まで騎乗可能。
〈馬〉:150Ę。2人まで騎乗可能。

● 妖精、精霊

〈サラマンダー〉:200Ę。
〈トールダン〉:200Ę。
〈フェンリル〉:200Ę。
〈ウィル・オ・ウィスプ〉:200Ę。
〈フェアリー〉:200Ę。
〈ブラウニー〉:200Ę。
〈カーバンクル〉:200Ę。

● 魔物

〈オルトロス〉:200Ę。
〈アリオック〉:200Ę。
〈インキュバス/サキュバス〉:200Ę。
〈グリフォン〉:300Ę。1人まで騎乗可能。
〈ファンガス〉:200Ę。

7.5 屍兵を操る

 〔死霊術師/ネクロマンサー〕は、〔屍兵〕と呼ばれる亡者を使役することができます。しかし、衛生的・倫理的な理由により、塔は無断で〔屍兵〕を生み出し使役することを認めておらず、これに違反した場合、大法典によって厳しい罰則が課せられます。このため、もっぱら主だったネクロマンサーたちが使役するのは、肉体を失ってさまよう魂たちです。
 〔屍兵〕を使役するには、塔が提供する〔安寧の指輪〕が必要であり、ネクロマンサーが冒険者登録をする際に、一人につきひとつ塔から配布されます。ネクロマンサーが使役できる〔屍兵〕は1体までです。〔屍兵〕の詳しいデータは「10. モンスター図鑑」を参照してください。

● 屍兵

〈ゴースト〉
〈スペクター〉
〈バーゲスト〉
〈バンシー〉
〈ファントム〉

 ネクロマンサーの中には、大法典を無視して、腐肉や骨や死体を材料に〔屍兵〕を作り出すものもいます。彼らは主に樹海の奥深くに住まい、大法典は彼らを見つけ次第「生死問わず」の触れ書きを出しています。

7.6 飛竜を従える

 〔竜騎士/ドラグーン〕は、その名の通り竜を駆る騎士です。竜を従えるには、「竜の谷」で竜と一騎討ちを行い、勝利しなくてはなりません。そうして人は竜の、竜は人の血を飲むことで〔血契〕を結びます。〔血契〕は絶対であり、竜たちはその主人以外の命令を聞くことはありません。たとえ自身より上位の竜の命令であっても、魔法や呪いによる制約をかけられても、血の絆がそれをはねつけるのです。その結果、命を落とすことになろうとも、彼らは決して契約相手を裏切りません。
 しかし、ドラグーンがもし竜を裏切るようなことがあれば、彼らはその命を奪い、食らうことを躊躇わないでしょう。
 ドラグーンが従えることができる〔飛竜〕は1体までです。〔飛竜〕の詳しいデータは「10. モンスター図鑑」を参照してください。

● 飛竜

〈ドラゴネット〉:1人まで騎乗可能。
〈ワイバーン〉:2人まで騎乗可能。
〈ドレイク〉:2人まで騎乗可能。
〈リンドヴルム〉:2人まで騎乗可能。

7.7 マジッククラフト

 塔では、〔掘り出しもの〕や〔モンスター〕から手に入れた〔アイテム〕を合成して新たな〔アイテム〕を作り出す、〔マジッククラフト〕が行えます。
 合成するには、〔マジッククラフト〕用の〔アイテム〕を3つ選び、指定のエルクを支払います。一部の〔アイテム〕を作成するには、さらに〈評議会調薬許可証〉が必要です。〈評議会調薬許可証〉は〔名誉点〕と引き換えに購入できます。

● マジッククラフトのレシピ

〈ティンクトゥライト〉
 ┝〈蛇の抜け殻〉、〈エーテル結晶〉、〈エーテル液〉
 └〈評議会調薬許可証〉
 血のように赤い石。これだけではただ綺麗なだけの石です。

〈ホムンクルス〉
 ┝〈うつろな魂〉、〈いびつな魂〉、〈ホムンクルスのミイラ〉
 └ 2000Ę
 手のひらや肩に乗る程度の大きさの小人。所持者の〔INT〕に+1します。

 〈万能薬〉
 ┝〈蒸留水〉、〈狐尾茸〉、〈ラウダナム〉
 └ 20Ę

〈チャームキャンディ〉
 ┝〈幻朝露〉、〈蜂蜜〉、〈イモリの黒焼き〉
 └〈評議会調薬許可証〉
 舐めるとどきどきするキャンディ。使用者に〔魅了〕状態を付与します。

〈絶対遵守薬〉
 ┝〈ねばねば液〉、〈毒蜘蛛の糸〉、〈覇王樹の針〉
 └ 〈評議会調薬許可証〉
 約束を必ず履行させる魔法薬。使用者に〔履行〕状態を付与します。

〈反魂薬〉
 ┝〈竜血〉、〈追憶草〉、〈古代樹の実〉
 ┝〈ティンクトゥライト〉
 └〈評議会調薬許可証〉
 生命の理をねじ曲げ、死者を復活させます。〔死亡〕したキャラクターの遺体に振りかけることで、対象を復活させます。完全に保全されている遺体にのみ効果があります。

〈捕獲網〉
 ┝〈しめつけ蔦〉、〈ストーン〉、〈しなやかしっぽ〉
 └ 50Ę
 《投擲》に成功すると、対象を捕獲できます。

 〈ローパースライム〉
 ┝〈厄災の樹液〉、〈朽ちた骨〉、〈獣の皮〉
 └ 2000Ę
 触手の生えたスライム。製作者の命令をある程度理解し、実行します。

〈みがわりしっぽ〉
 ┝〈もこもこしっぽ〉、〈柔らかい羽〉、〈妖精の粉〉
 └ 100Ę
 使用することで、戦闘から安全に離脱できます。

〈魔除けのおこう〉
 ┝ 〈猫芥子草〉、〈絶叫根〉、〈黄詰草〉
 └ 100Ę
 使用することで、1時間のあいだ、〔モンスター〕を遠ざけます。

〈初恋のお守り〉
 ┝〈エリスロイト〉、〈エーテル糸〉、〈魔晶石〉
 └200Ę
 恋愛運が上がるかもしれないお守り。

〈伝心のお守り〉
 ┝〈アルメリアム〉、〈エーテル糸〉、〈魔晶石〉
 └200Ę
 使用時に〔MP〕を1点消費することで、1時間のあいだ、おなじ〈伝心のお守り〉を持つ相手と念話が可能になります。

〈必勝のお守り〉
 ┝〈ローレライト〉、〈エーテル糸〉、〈魔晶石〉
 └200Ę
 勝率が上がるかもしれないお守り。

8. 樹海探索

 これで冒険の準備は整いました。あなたはめぼしい依頼がないか、冒険者の宿へと戻ります。
「一人で樹海に戻るのはお勧めしないね。せめてあと3人か4人、連れてきなさい」
 先輩冒険者があなたにそう助言します。あなたは——

8.1 探索の基本

 基本的に、樹海の探索は冒険者の宿で依頼を受けて行います。勝手に樹海へ入ることは、一部のベテランにのみ認められた権利です。
 樹海は「周縁部」と呼ばれる第1層、「樹海部」と呼ばれる第2〜4層、そして「深部」と呼ばれる第5層からなります。それぞれの層には〔冒険者階級〕による立ち入り制限がされています。〔冒険者階級〕については、「9.2 経験を積む」を参照してください。

表 冒険者階級と立ち入り可能な層
第1層「周縁部:古樹の森」…………青葉(グリーンリーフ)級以上
第2層「樹海部:遥か星の霊堂」……銅葉(カッパーリーフ)級以上
第3層「樹海部:歴史を綴る遺跡」…銀葉(シルバーリーフ)級以上
第4層「樹海部:世界樹の試練」……金葉(ゴールドリーフ)級以上
第5層「深部:記憶眠る地下迷宮」…黒葉(ブラックリーフ)級以上

 冒険者登録を行ったばかりの冒険者は、青葉(グリーンリーフ)級に叙されます。多くの冒険者は銀葉(シルバーリーフ)級で頭打ちとなり、次の階級に上がるには相当の強運と実力がなければ難しいと言われています。

 樹海探索は、4人または5人のパーティを組んで行われます。パーティを組まずに樹海を探索できるのは、金葉(ゴールドリーフ)級以上の冒険者のみです。まれに3人のパーティもいますが、推奨されていません。樹海で何かあったとき、報告者として誰か一人でも帰還することを考えた場合、3人パーティでの生存率は著しく低いからです。ですので最低でも4人、通常は5人での連携を考えましょう。

 パーティ内のバランスを考慮することも大切です。回復魔法や遠距離魔法の使い手がひとりいればパーティの生存率はぐっと高まります。防御や攻撃が得意な冒険者がいれば、前線を維持できます。気配に敏感な察知能力の高い冒険者は、魔物による奇襲を防げるでしょう。

8.2 成功と失敗

 冒険者はさまざまな〔技能〕を持っています。近接戦闘や鍵開けが得意、などです。〔技能〕は0〜100の値(%)で表されます。例えば《魔法詠唱:歌》の〔技能値〕が80の場合、そのキャラクターは歌魔法の詠唱技術用いて80%の確率で歌魔法を行使できます。〔アイテム〕や〔アビリティ〕、〔魔法〕などにより、〔技能値〕は100を超えることがあります。
 さて、このような〔技能〕を用いて、崖を登ったり、攻撃を命中させたりといった行動に対する成否を、ダイスを用いて判定することがあります。これを〔技能判定〕と呼びます。〔技能判定〕に限らず、ダイスを用いて行動の成否を問うことを〔判定〕と呼びます。
 〔技能判定〕には、10面ダイスをふたつ使用します。例えば〔技能値〕80の《魔法詠唱:歌》の成否を確かめたいとき、10面ダイスをふたつ振って、出た目が80以下なら成功、81以上なら失敗です。これを「下方判定(下方ロール)」といいます。逆に80以上で成功、80未満で失敗とするような判定は「上方判定(上方ロール)」といいます。「MilesianStoneRPG」では、基本的に下方判定が主体になりますが、状況に応じてゲームマスターは上方判定を導入できます。

 〔技能判定〕には「クリティカル」と「ファンブル」という、特別な成功と失敗があります。これは決定的な成功/失敗とも訳されます。判定が〔クリティカル〕した場合、その判定は「自動的に成功」し、判定が〔ファンブル〕した場合、その判定は「自動的に失敗」します。

● クリティカル/決定的な成功
 クリティカルは、出た目が〔技能値〕の1/5以下であった場合に発生します。この時計算に用いる〔技能値〕は、〔アイテム〕や〔アビリティ〕、〔魔法〕による修正を受けた後の値です。〔技能値〕が125(%)の場合、出た目が25以下であれば判定は〔クリティカル〕となり、自動的に成功します。

● ファンブル/決定的な失敗
 ファンブルは、出た目が「96」「97」「98」「99」「100」であった場合に発生し、判定は自動的に失敗します。加えて、次に行う〔技能判定〕の〔技能値〕に+5します。このボーナスは繰り越すことができません。かならず次に行う〔技能判定〕で使用してください。

8.3 判定に抵抗する

 〔技能判定〕には、同じく別の/同じ〔技能判定〕による抵抗を試みることができる場合があります。これを「対抗判定」と呼びます。主に戦闘においては、この対抗判定が主軸となります。例えば《魔法詠唱:歌》による〔技能判定〕に成功したキャラクターが対象に魔法攻撃を行う際、魔法攻撃を受ける対象は《魔法抵抗:歌》で〔対抗判定〕が可能です。もしこの〔対抗判定〕が成功した場合、魔法によるダメージは半減され、魔法的効果は消滅します。
 このように〔対抗判定〕には能動側と受動側が存在します。また、前述で判定には〔クリティカル〕、〔ファンブル〕があることを記載しました。〔対抗判定〕においては、〔クリティカル〕、〔ファンブル〕の有無も加味されます。〔クリティカル〕しない限り、基本的には受動側が優位です。

能動側がクリティカル、受動側がクリティカルした場合:受動側の行動が成功します。
能動側がクリティカル、受動側が成功した場合:能動側の行動が成功します。
能動側がクリティカル、受動側が失敗した場合:能動側の行動が成功します。
能動側がクリティカル、受動側がファンブルした場合:能動側の行動が成功します。
能動側が成功、受動側がクリティカルした場合:受動側の行動が成功します。
能動側が成功、受動側が成功した場合:受動側の行動が成功します。
能動側が成功、受動側が失敗した場合:能動側の行動が成功します。
能動側が成功、受動側がファンブルした場合:能動側の行動が成功します。
能動側が失敗した場合:何も起こりません。
能動側がファンブルした場合:何も起こりません。

8.4 信念(フェイス)

 決定的な場面で、ダイスの出目が悪い。失敗できない場面で、ダイスの出目を保証したい。そんな時に使用できるのが〔信念(フェイス)〕です。冒険者の強い思いや願いで天運を動かすことができます。
 〔判定〕の際、プレイヤーは〔判定〕に用いるダイスと同じ種類のダイスを1個用意しておいてください。2d10(1d100)の〔技能判定〕なら10面ダイスを、2d6の〔判定〕なら6面ダイスを余計にひとつプールしておきます。プレイヤーは〔判定〕の前に〔信念(フェイス)〕を宣言し、3つのダイスを一度に振ります。そして、好きな出目を2つ選びます。ダイスに1の位と10の位が設定されている場合は、プールダイスとの入れ替えになります。例えば2d10(1d100)の〔技能判定〕で96の出目が出てしまい、ファンブルになった場合、プールダイスが5以下の出目であれば1の位のダイスと交換して成功にすることができますし、10の位のダイスと交換して〔クリティカル〕を狙うこともできます。
 〔信念(フェイス)〕の宣言は、ゲーム内時間で1日に1回という制限があります。

8.5 状態異常

 キャラクターは探索中、さまざまな状態異常に襲われる場合があります。状態異常は「永続的」「一時的」「特殊」の3種類があり、状況に応じて各状態異常は上限なく重複します。

● 永続的な状態異常
 永続的な〔状態異常〕は、【魔法】や〈アイテム〉でのみ解除できます。
〔瀕死〕:〔HP〕が0になると、キャラクターは〔瀕死〕になります。肉体が活動を停止し、魂も失われかけている状態です。あらゆる能動的・受動的行動を試みることはできません。
 戦闘終了時にこの状態であったり、また〔瀕死〕状態のまま6時間経過すると、そのキャラクターは〔死亡〕します。
〔死亡〕:戦闘終了時に〔瀕死〕状態であったり、また〔瀕死〕状態のまま6時間経過すると、そのキャラクターの魂は肉体から完全に離れ、〔死亡〕します。〔死亡〕したキャラクターを蘇らせることは、原則として叶いません。魂の安寧を祈りましょう。
 ですがもし、あなたが〔死亡〕したキャラクターの遺体や魂をなんらかの形で保持し続けることができているなら、〈反魂薬〉を使用することによって、そのキャラクターを蘇らせることができます。
〔魅了〕:キャラクターは特定のキャラクターに魅了されています。その者を深く愛し、いかなる非道な命令でも受け入れてしまいます。〔魅了〕は〈飛竜〉には無効です。〔魅了〕は【魔法】または〈アイテム〉によってのみ解除可能です。

● 一時的な状態異常
〔気絶〕:〔HP〕が1または2に、もしくは〔MP〕が0になると、そのキャラクターは気を失い、その場に〔転倒〕します。つまり〔気絶〕状態は〔転倒〕状態の性質を内包します。〔気絶〕状態では、あらゆる能動的・受動的行動を試みることはできません。〔補助動作〕で揺り起こされたり、【魔法】や〈アイテム〉の効果によって、〔HP〕が3以上もしくは〔MP〕が1以上になると、この状態は解除されます。
〔転倒〕:足を取られたり、落下後着地に失敗したりすると、そのキャラクターは〔転倒〕します。〔気絶〕状態でないならば、〔補助動作〕で起き上がる、助け起こされるなどして解除されます。〔転倒〕中、キャラクターは〔隠密〕が解除され、《近接攻撃》または《遠隔攻撃》、《受け流し》および《回避》を行うことはできず、《魔法詠唱》および《魔法抵抗》をはじめとする全ての技能の〔技能判定〕は-50の修正を受けます。
〔炎上〕:大小の火傷を負っている状態です。〔炎上3〕のように記述され、この場合、〔主動作〕の直後に3点のダメージを受けます。〔炎上〕の値は【魔法】または〈アイテム〉または〔休息〕で解除しない限り、累積します。
〔スタン〕:強い衝撃を受けることで、〔主動作〕および〔補助動作〕が不可能になります。〔スタン〕はラウンド終了時に回復します。
〔凍結〕:体の一部が氷づけになり、行動が困難になります。〔補助動作〕は可能ですが、〔主動作〕を行うことはできず、各〔技能判定〕は-30の修正を受けます。〔凍結〕は【魔法】または〈アイテム〉または〔休息〕で解除可能です。
〔暗闇〕:視界が闇に閉ざされます。あらゆる能動的・受動的行為や判定を伴う行為は、-30の修正を受けます。〔暗闇〕は【魔法】または〈アイテム〉または〔休息〕で解除可能です。
〔呪縛〕:あらゆる能動的・受動的行為や判定を行うたびに〔MP〕が1点減少します。〔呪縛〕は3ラウンド経過するか、【魔法】または〈アイテム〉または〔休息〕で解除可能です。
〔恐怖〕:キャラクターは強い恐怖に苛まれ、《近接攻撃》および《遠隔攻撃》を試みることはできず、および【魔法】が使用できなくなります。〔恐怖〕は3ラウンド経過するか【魔法】または〈アイテム〉または〔休息〕で解除可能です。
〔混乱〕:キャラクターは錯乱し、《近接攻撃》および《遠隔攻撃》および【魔法】や〈アイテム〉の対象を任意に選択できなくなります。〔混乱〕は3ラウンド経過するか、【魔法】または〈アイテム〉または〔休息〕で解除可能です。
〔睡眠〕:キャラクターは心地よい眠りに落ちています。あらゆる能動的・受動的行動をとることができません。〔睡眠〕は〔補助動作〕または【魔法】または〈アイテム〉または〔休息〕で解除可能です。

● 特殊な状態異常
〔隠密〕:《隠密》に成功すると、キャラクターは〔隠密〕状態になります。キャラクターの〔隠密〕状態は、それを見つけ出そうとする側の《警戒・察知》または《看破》の成功、およびそれに対する対抗判定に失敗したり、〔転倒〕したり、〔主動作〕を行った場合に解除されます。
〔履行〕:キャラクターは約束や契約を最優先で遵守しなければならない状況に置かれています。キャラクターはこの状態異常に陥った時に設定された条件を満たすまで、他の行動が著しく困難になります。ゲームデータ的には、すべての〔技能判定〕に−80の修正を受け、約束を履行するために行われる判定を除き、他のあらゆる判定は自動失敗します。設定された条件が達成されたとみなされた時、〔履行〕状態は解除されます。この状態は【レスト】では解除されません。

8.6 野営する

 探索中、夜になってしまい、樹海で一夜を明かすということもあるかもしれません。夜の樹海は見通しも悪く、夜行性の凶暴な魔物が徘徊することもあり、非常に危険です。野営には探索以上の警戒をもってあたらねばなりません。
 野営では最低でも1人起きて警戒に当たる必要があります。ゲームマスターはキャラクターが十分な睡眠が取れていないと判断した場合、〔HP〕と〔MP〕を1d4点減らすことを指示できます。逆に、パーティが野営に必要な〈アイテム〉を所有していたり、その他の行動で十分な睡眠が取れたと判断した場合、〔HP〕と〔MP〕を1d4点回復させることができます。

8.7 魔物との戦い

 樹海では凶暴な魔物と出会すことがあります。大抵の場合、彼らは敵対的で、縄張りや生息地を荒らす冒険者を問答無用で襲います。これらを撃退できなければ、探索はおろか、生還さえ難しいでしょう。

8.7.1 戦闘のながれ

 敵との戦闘は以下のように進行します。
1:奇襲判定
2:戦闘ラウンド開始
3:バトルエリア(再)形成フェイズ
4:行動順決定フェイズ
5:キャラクターフェイズ
6:ラウンドクリンナップ
7:敵対行動をとるキャラクターがいなくなるまで2〜6を繰り返す
8:戦闘終了

8.7.2 奇襲判定

 戦闘開始前、もし敵がこちらに気づいていない状況であると十分に判断できるなら、パーティは〔奇襲判定〕を試みることができます。《奇襲》は対象とその周囲にいる知覚を持つ存在全員が参加する《警戒・察知》の対抗判定に勝利して初めて成功します。《奇襲》が成功した場合、敵は狼狽し、1ラウンドの間何も反撃ができません(《受け流し》や《回避》は可能です)。

8.7.3 戦闘ラウンド開始

 戦闘は「ラウンド」と、ラウンドをさらに細かく分けた「フェイズ」で管理されます。戦闘に参加している全てのキャラクターのそれぞれの行動を「フェイズ」といい、全てのフェイズをまとめて「ラウンド」といいます。ラウンドはパーティに敵対するキャラクターがいなくなるまで繰り返されます。
 ラウンドは「1」から開始し、1ラウンドはゲーム内時間にして10秒です。戦闘ラウンド開始の段階で、これから戦う全てのキャラクターを開示してください。後から現れる敵/味方の増援などは開示対象外です。

8.7.4 バトルエリア(再)形成フェイズ

 キャラクターが出揃ったところで、任意の中心点座標から半径20mのバトルエリア(前線エリア)が形成されます。各キャラクターはこの半径20mの内側ならどこでも自由に配置できます。戦闘に参加しているけれども、狙撃などの理由でパーティから離れて行動しているという場合、この前線エリアの範囲外(後方エリア)に置くことができます。が、前線エリアには必ずキャラクターが敵味方1人ずついなくてはなりません。
 戦闘中、敵/味方の攻撃で前線エリアにキャラクターがひとりもいなくなってしまった場合、最も前線エリアに近いキャラクターがいる座標を中心にバトルエリアが再形成されます。この時、後方エリアにいたキャラクターが前線エリアの範囲内に含まれることがあります。

8.7.5 行動順の決定

 敵/味方のキャラクターは、〔AGI〕が大きい順から順番に行動します。〔AGI〕が同値の場合は〔INT〕が高い方が先に行動します。〔INT〕も同値である場合は、まず味方から先に、次に敵が行動します。敵もしくは味方同士で〔INT〕が同値である場合は、話し合ってどちらから行動するか決めてください。

8.7.6 キャラクターフェイズ

 キャラクターフェイズは、〔移動〕、〔メインアクション〕、〔サブアクション〕の3つから構成されます。これらの順番は自由です。

● 移動
 バトルエリア内を最大15m移動します。メインアクションとサブアクションを放棄する場合、最大50m移動できる〔全力移動〕を行えます。

● メインアクション
 メインアクションは、以下の中からひとつだけ選択して行えます。
 ・対象に攻撃する
 ・魔法を使用する
 ・アイテムを使用する
 ・逃走(バトルエリアから離脱)する
 ・武器などを装備する/抜く/構える/収納する/受け渡し

● サブアクション
 サブアクションは、以下の中からみっつだけ選択して行えます。
 ・武器などを装備する/抜く/構える/収納する/受け渡し
 ・ものを拾う
 ・起き上がる(転倒状態から復帰する)
 ・他人を起こす(睡眠状態を解除する)
 すべてのキャラクターが行動し終わると、ラウンドクリンナップへ移行します。

8.7.7 ラウンドクリンナップ

 ラウンドクリンナップでは、状態異常の解除や状態異常によるダメージなどを処理します。また、この時点で敵対するキャラクターがいない場合は戦闘が終了します。そうでない場合は、再び「バトルエリア(再)形成フェイズ」から戦闘が開始されます。

8.7.8 戦利品の獲得

 戦闘終了後、パーティは敵から戦利品を得ることができます。モンスター1体につき1d10を振り、出た出目に応じて、モンスターデータに記されている戦利品を取得できます。

8.8 帰還と報告

 依頼目標を達成したあなたは、パーティとともに意気揚々と宿へと戻りました。全員が五体満足で大きな怪我もなく、依頼は大成功と言えるでしょう。
 しかし、報告を済ませて報酬を受け取り、評議会に報告書を提出するまでが冒険です。一行は宿の大机を囲んで、冒険の内容と収支を記した報告書を作成することにしました。

8.8.1 宿への報告と報酬の受け取り

 冒険者の宿の受付に、依頼の顛末を報告し、報酬を計算します。報酬は依頼書に書かれている規定の報酬と、冒険の途中で得た戦利品の合計売値をパーティの頭人数で割った金額を足して求めます。また、ゲームマスターは、パーティが十二分に活躍したと判断できれば、上限値を超えない範囲で報酬を増やしても構いません。
 規定報酬と報酬上限は、冒険者階級によって以下のように定められます。

 青葉級:規定報酬200Ę、報酬上限500Ę
 銅葉級:規定報酬500Ę、報酬上限800Ę
 銀葉級:規定報酬800Ę、報酬上限1200Ę
 金葉級:規定報酬1200Ę、報酬上限1600Ę
 黒葉級:規定報酬1600Ę、報酬上限2000Ę

8.8.2 報告書の提出と名誉点

 報酬を受け取り、最終的な収支を記録した報告書を評議会に提出し、〔名誉点〕を受け取れば、冒険は終了です。〔名誉点〕とは、依頼の難易度に応じた冒険者評価であり、冒険者階級を決定する上で参照されます。
 依頼ごとの名誉点は以下によって算出されます。ゲームマスターは依頼の成否に応じて、±5点まで、最終的な名誉点を変更・確定できます。

各条件を満たしてもらえる名誉点
・依頼を達成した:5点
・セッションを楽しんだ:2点
・他のプレイヤーやキャラクターと協力できた:2点

上記に1d10点を加えたものが合計名誉点となります。条件項目によっては、パーティー内で獲得名誉点にばらつきがでます。ゲームマスターはそのばらつきを±5点以内に収めるようにしてください。

 また、キャラクターの累計取得名誉点によって、冒険者階級は変動します。

 青葉級:累計名誉点0〜100点。駆け出し冒険者。
 銅葉級:累計名誉点101点〜200点。一人前の冒険者。
 銀葉級:累計名誉点201点〜450点。ベテラン冒険者。最も多い。
 金葉級:累計名誉点451点〜800点。勇者。数多の死線を潜り抜けた冒険者。
 黒葉級:累計名誉点800点以上。英雄。祝福されし者。ほんの一握りの冒険者。

9. 冒険者手帳

 報告書を提出し、冒険者としても箔がつきました。このことを、冒険者手帳に記録しておきましょう。すなわち、キャラクターシートの更新です。

9.1 記録する

 まず、キャラクターシートの「名誉点」の部分を書き換え、最新の数値を書き込みます。名誉点には「現在名誉点」と「累計名誉点」がありますので、どちらも更新しましょう。
 所持金や所持品の増減があった場合もそれを書き留めておきます。永続的な状態異常がある場合は、空いているところに書き込みます。

9.2 経験を積む

 《技能》のうち、セッション中に〔ファンブル〕した《技能》の基本技能値に+1(%)します。不運なことですが、1セッション中に3回ファンブルした場合は、+3(%)されます。初期作成時の技能値振り分けが間違っていないかゲームマスターがチェックしやすいように、成長によって増えた技能値はそれとわかるように分けて書くか、色のついたペンで記入すると良いでしょう。

 以上で、キャラクターシートの更新は終わりです。

 あなたは冒険者手帳を閉じ——次なる冒険に想いを馳せることでしょう。

10. モンスター図鑑

11. アペンディクス

11.1 キャラクターシート

【基本情報】
名前:
年齢:
性別:
身長:
体重:
種族:
メインクラス:
サブクラス:
所持金:
拠点:
名誉点:

【ライフパス】
出自:
境遇:
目標:

【ステータス】
  ATK:
主 VIT:
能 AGI:
力 INT:
値 DEX:
  LUC:
  MOV:
副 DEF:
能 INI:
力 DB:
値 HP:
  MP:

【一般技能】
《近接武器:  》( )
《遠隔武器:  》( )
《魔法詠唱:  》( )
《魔法抵抗:  》( )
《投擲》( )
《回避》( )
《受け流し》( )
《不意打ち》( )
《奇襲》( )
《警戒・察知》( )
《秘密》( )
《解錠》( )
《罠設置》( )
《手業》( )
《交渉・調略》( )
《賭博》( )
《採集》( )
《調査・探索》( )
《追跡・逃走》( )
《応急手当》( )
《医学》( )
《調薬・登攀》( )
《水泳》( )
《飼育・契約:  》( )
《騎乗》( )
《言語理解:  》( )
《ひらめき》( )
《鑑定》( )
《看破》( )
《料理》( )
《芸術》( )
《知識》( )
《礼儀作法》( )
《道案内》( )
《変装》( )

【習得魔法】
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)

【装備】
武器:
防具 頭:
   体:
   腕:
   足:
   飾:

【所持品】



11.2 依頼報告書

依頼名:
受注期間:
同行者:
報酬:
獲得名誉点:
詳細:


12. クレジット

製作:m9t

この作品はBRPオープンゲームライセンスを使用して製作されました。

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Basic Roleplaying © copyright 1980–2020 Chaosium Inc.;
Authors, original rules:
Greg Stafford,
Steve Henderson,
Warren James,
Steve Perrin,
Sandy Petersen,
Ray Turney, and
Lynn Willis;
developed by Jason Durall, James Lowder, and Jeff Richard.

ベーシック・ロールプレイングおよびBRPロゴはケイオシアム社の商標です。
許可を得て使用しています。